2022年度前半に刊行されたもの

だいぶアナクロニックになってしまったものもありますが、2022年前半に刊行された拙稿です。 クリティカル・ワード ファッションスタディーズ フィルムアート社 Amazon 蘆田裕史・藤嶋陽子・宮脇千絵編著『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ』…

東京芸術祭 2022シンポジウム「なぜ他者と空間を共有するのか? ~メディア、医療、パフォーマンスの現場から~」

表象文化論学会MLで東京芸術祭 2022シンポジウム「なぜ他者と空間を共有するのか? ~メディア、医療、パフォーマンスの現場から~」オンライン配信の存在を知り、さっそく視聴した。 www.youtube.com Cf. 東京芸術祭ウェブサイト上のシンポジウム紹介ページ…

第47回社会思想史学会フーリエ・セクションに行った

2022年10月16日(日)開催の社会思想史学会に赴き、フーリエ・セクションに参加。会場は専修大学生田キャンパス。地理的には神奈川県で、生田緑地の緑に囲まれたロケーション(すでに紅葉が始まっていた)。 大会案内:http://shst.jp/home/conference/ 大会…

ゲルハルト・リヒター展(東京国立近代美術館)

昨日は当日券完売済で入場できず、関連書籍だけ買ってとぼとぼと引き上げたリヒター展、やはり大きさやマティエールなどを確かめるためにも実物を見ておきたいと思い、再び竹橋に。結論から言うと、やはり実際の展示を見られて本当によかった。見逃した人は…

「空気の流れ」と都市計画

■Richard Etlin, « L’air dans l’urbanisme des Lumières », dans Dix-huitième Siècle, n°9, 1977 ; Le sain et le malsain, p. 123-134. doi : https://doi.org/10.3406/dhs.1977.1119 ■Michel Foucault, Les Machines à guérir : aux origines de l'hôpit…

シャルル・フーリエ覚書

■Bibliothèque de l'école des chartes, Vol. 163, No. 1, janvier-juin 2005.ENTRE NOSTALGIE ET UTOPIE: RÉALITÉS ARCHITECTURALES ET ARTISTIQUES AUX XIXe ET XXe SIÈCLESPersée : https://www.persee.fr/issue/bec_0373-6237_2005_num_163_1 Marion Loi…

メモランダム 1988年9月刊行の『WAVE』(特集:サイバーシティ東京)を読んでいて、「デッドテック」という言葉を知る。おそらく現在はもう生き残っていないヴォキャブラリーではないか。先端的なテクノロジーのイメージと死や病や崩落とが結びつく表現が、…

【メモ】同人誌『同時代』を刊行している「黒の会」の会報、「黒の会手帖」第14号(2021年11月)に寄稿したエッセイ「文学散歩というテクスト」から抜粋。 「文学散歩」それじたいが、テクストの創造的な解釈行為であり、一種の翻案や二次創作でもある。まず…

【メモ】同人誌『同時代』を刊行している「黒の会」の会報、「黒の会手帖」第14号(2021年11月)に寄稿したエッセイ「文学散歩というテクスト」から抜粋。 作品に基づいて、ある土地を徹底して歩き回ることは、新たなテクストをも生み出す。たとえば川本三郎…

【メモ】絵画とヴェール:日本絵画のなかの「ヴェール的なもの」 喜多川歌麿や葛飾北斎の浮世絵には、しばしば「ヴェール」的なもの=あちらとこちらを遮断しつつ透かし見させる表面が登場する、という感触がありつつ、それ以上は掘り下げられていなかったの…

【メモ】 享楽社会論: 現代ラカン派の展開 作者:松本 卓也 人文書院 Amazon 松本卓也『享楽社会論』から。 ラカン派の精神分析家、ジャック=アラン・ミレールは、「普通精神病」という新たな用語を提唱するに際して、興味深いことを言っている。前提としてミ…

都市というテクストと作品というコンテクストの相互作用

ウェブ検索でたまたま見つけた次の論文、「都市というテクストのコンテクストとしての作品」という視点が提示されていて、示唆を受ける。 渡辺裕「「文学散歩」と都市の記憶 : 本郷・無縁坂をめぐる言説史研究」、『美学藝術学研究』第35号、東京大学大学院…

啓蒙思想家たちと「散歩」 散歩をするディドロ

一年前の文章の続き。 今書いているテクストに関係あると思ったらあまり関係がなくて、書架に戻そうとした本(ラクー=ラバルト『近代人の模倣』)に、ふと「啓蒙思想家たちと散歩」というテーマに関連する一節をみつける。ディドロ(による執筆とされる)『…

荷風と東京(上) 『断腸亭日常』私註 (岩波現代文庫) 作者:川本 三郎 岩波書店 Amazon 荷風と東京(下) 『断腸亭日常』私註 (岩波現代文庫) 作者:川本 三郎 岩波書店 Amazon 川本三郎『荷風と東京』文庫版上下2巻が届いた。荷風には「江戸的なものに固執し、モ…

南大沢でワクチン接種の後、そのまま京王線で駒場博物館の「宇佐美圭司:よみがえる画家」展へ。 逸失(廃棄処分)でニュースになった本郷学生食堂の例の絵画だけでなく、しばしば目にする人文書や文学作品の装幀も、そういえば氏の手掛けたものであったこと…

Bunkamuraザ・ミュージアムの「マン・レイと女性たち」展へ。 著名な写真(《ガラスの涙》、《アングルのヴァイオリン》、ココ・シャネルのポートレイト……)やレディ・メイド作品(メトロノームに眼の写真を貼り付けた《破壊されるべきオブジェ》、アイロン…

朝日新聞夕刊のリレー連載「にじいろの議」に寄稿いたしました。「空想散歩の歴史をたどる:居室から広がる「体験」」と題して、コロナ禍で一気に普及したヴァーチュアルヴィジットから、空想旅行や空想美術館の系譜を辿ります。https://digital.asahi.com/a…

高梨豊の写真集『地名論 genius loci, tokyo』(毎日コミュニケーションズ、2000年)を購入した。 一九九四年からはじめたこのシリーズは、「地名」をたよりに始められた。町の名であり、川の名であり、橋の名であり、坂の名前である。本郷ならば「森川町」…

『ユリイカ ココ・シャネル特集』2021年7月号に、論考「フィルムのなかのシャネル」を寄稿しました。『去年マリエンバートで』を中心に、ジャン・ルノワール『ゲームの規則』、ルイ・マル『恋人たち』、『ボッカチオ‘70』収録のヴィスコンティ作品などに触れ…

国立新美術館の「ファッション イン ジャパン 1945-2020」展に行ってきた。戦前のモガの洋装、戦中の国民服、戦後の洋裁ブームと洋裁学校から、個々のデザイナー、ユースカルチャー、雑誌、広告、改造制服、DCブランド、アイドルや音楽とファッションの関係…

去年マリエンバートで 4Kデジタル修復版 [Blu-ray] デルフィーヌ・セイリグ Amazon 『去年マリエンバートで』の映画の構造は、男Xが語る邸館の室内や庭園の構造と呼応しているように思われる。 「そしてまた、私は歩いたのです。ただひとり、あの同じ廊下づ…

【メモ】フロイト「文化の中の居心地悪さ」新訳 心の生活においては、一度形成されたものは何ひとつ滅びず、すべてが何らかのかたちで保存されており、たとえばその時期にまで届く退行のような機会に恵まれると、ふたたびおもてに現れてくることがある……。こ…

最近の漂着物 ・拙論「絵のなかを歩くディドロ:「サロン評」の風景画記述と「歩行」のテーマ系」がリポジトリ公開されました。 Permalink : http://doi.org/10.18909/00001974 ※PDF23ページ脚註3の『古きフランスのピトレスクでロマンティックな旅』につい…

「国際シンポジウム「AIと人文科学:国境を越えて・分野を越えて」第1日目を聴く。こちらで共通テーマを見つけるとすれば、「デジタルツールによる定量分析と世界美術史」といったところだろうか。コーパスの量的な分析によって、例えば「第二次大戦後のアメ…

『建築ジャーナル』2021年2月号「特集:新・廃墟論」の座談会に参加しております。廃墟探検家の栗原亨氏、旧共産圏モニュメント写真でも知られる星野藍氏、若手建築家の三井嶺氏という、豪華かつなかなか無い顔ぶれとご一緒させていただきました。刺激的で楽…

最近の活動です。勤務先の学科有志で立ち上げた教育振興プログラム「文学と芸術を通じた地域社会参画型表現教育(SEREAL)」のキックオフ・ミーティングの記事です。 和洋女子大学|学部・学科|日本文学文化学科|学科ブログ 学生たちのささやかな「表現」…

書籍紹介 「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う (青弓社ライブラリー) 作者:香月 孝史 発売日: 2014/03/20 メディア: 単行本 香月孝史『「アイドル」の読み方:混乱する「語り」を問う』青弓社、2014年。出版社の紹介ページ(目次あり):https://w…

表象文化論学会オンライン研究フォーラム「日本映画における衣裳」パネル、コメンテイターとして拝聴していても、とても面白かったので、寄せたコメントを備忘を兼ねてここに公開しておきます。 【全体的に】 少なくとも日本で映画研究というと、作品分析や…

12/19(土)は「現代社会における<毒>の重要性 2020年度シンポジウム」にて、「ジャンク化する身体:1980 年代の表現を中心に」というテーマで発表いたします。http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/20201219_symposium/私の発表では、東京グランギニョル、三上晴…

講義用メモ:ジョーカーにみる権力、暴力、「悪」の描き方:トッド・フィリップス監督『ジョーカー』2019年 ・バットマンとジョーカー:元々は1940年代から連載開始されたアメリカン・コミックス『バットマン』で悪役(バットマンの敵役)として登場。その後…