テクストとイメージ

旅としてのテクスト、庭園としてのテクスト 森のバルコニー・狭い水路 (白水社世界の文学) 作者:ジュリアン・グラック,中島昭和 メディア: 単行本 旅――帰還を念頭に置かない旅だけがもろもろの生の扉をわれわれに開き、真にわれわれの人生を変革させうるもの…

街道手帖 (シュルレアリスムの本棚) 作者:ジュリアン グラック 発売日: 2014/08/01 メディア: 単行本 この本を構成するメモが扱う街道は、もちろん地上の風景を横切り、つなぐ街道である。しかし、それはときには夢の街道であり、しばしば記憶の街道でもある…

Au château d’Argol シルトの岸辺 (岩波文庫) 作者:ジュリアン・グラック 発売日: 2014/02/15 メディア: 文庫 アルゴールの城にて (岩波文庫) 作者:ジュリアン・グラック 発売日: 2014/01/17 メディア: 文庫 最近、ジュリアン・グラックによるテクストの「建…

論考掲載のお知らせ 拙論「架空都市の地図を描く――地図と(しての)テクスト」が、『ユリイカ』2020年6月号(特集:地図の世界)に掲載されています。 http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3437 モアの『ユートピア』やスウィフト『ガリヴァー旅行…

散策(promenade)としてのディドロの絵画描写 『サロン評』でのディドロによる絵画の記述は、もちろんエクフラシスの伝統に則ったものである。と同時に、とりわけその対象が風景画である場合には、それは「テクストによる空想の散策」ともなる。例えばクロ…

【メモ】活人画(tableau vivant)について 18世紀半ばには、フランスを中心に活人画が流行したという。西村清和は、この活人画ブームを、同時代のピグマリオン神話への関心や、古代彫刻に人工照明を当て生きているかのように見せる趣向の流行などとともに、…

心変わり (岩波文庫) 作者:ミシェル・ビュトール 発売日: 2005/11/16 メディア: 文庫 この『心変わり』という小説でまず注目されるのは、主人公を二人称「きみ」――フランス語では"vous"――で呼んでいることである。おそらく小説の歴史のうえではたぶん前例の…

クロソウスキー、象形文字としての「ステレオタイプ」 事実、私は筆跡学から能書術、というかむしろ象形文字学へ移ったのです。私は絵を象形文字として扱っているわけです。[…]私が従う或る種のステレオタイプがあり、拒絶する別のステレオタイプがある。…

【メモ書き】テクストの「挿絵(illustration)」と映画化(映像への翻訳あるいは「翻案」) ギュスターヴ・フローベールは自らの小説に挿画を入れることを許さなかったという。「[フローベールは]文章以外の手段によって小説が「見える」ようになることを…

テクストと映画の翻訳関係(翻案・アダプテーション) 夢の共有――文学と翻訳と映画のはざまで 作者:野崎 歓 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/11/30 メディア: 単行本 クロス・カッティングのほかにも、移動撮影、俯瞰撮影やクローズアップなど、サイ…

活人画の時間:テクスト、映画、写真

勅使河原宏の世界 DVDコレクション 出版社/メーカー: 角川映画 発売日: 2002/04/14 メディア: DVD 購入: 2人 クリック: 40回 この商品を含むブログ (45件) を見る 箱男 (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/05 メディア: 文庫 …

『週間 読書人』紙に武末祐子著『グロテスク・美のイメージ:ドムス・アウレア、ピラネージからフロベールまで』(春風社、2018年)の書評を寄稿いたしました。ウェブ上でもお読みいただけます。 http://dokushojin.com/article.html?i=3296

思考の屑篭

言語を用いた時間芸術であるテクスト作品を「忠実に」映画化しようとするとき、どのような方法がありうるだろうか。 例えばロベール・ブレッソンは、「語る声」と同時に、テクストの「書かれた文字」としての側面を重視した。この特徴がとりわけ顕著に現れた…

ストローブ=ユイレを考え(続け)る

シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)作者: ジルドゥルーズ,宇野邦一,江澤健一郎,岡村民夫,石原陽一郎,大原理志出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2006/11/15メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 125回この商品を含むブログ (77件) を見るド…

ストローブ=ユイレと言語の問題

シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)作者: ジルドゥルーズ,宇野邦一,江澤健一郎,岡村民夫,石原陽一郎,大原理志出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2006/11/15メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 125回この商品を含むブログ (77件) を見る純…

ミシェル・フーコー思考集成〈5〉権力・処罰―1974‐1975作者: ミシェルフーコー,小林康夫,松浦寿輝,石田英敬,Michel Foucault,蓮實重彦,渡辺守章出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2000/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件…

文学作品から映画への翻案(adaptation):ストローブ=ユイレの手法

あなたの微笑みはどこに隠れたの? [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2009/01/31メディア: DVD購入: 1人 クリック: 43回この商品を含むブログ (17件) を見る私はテクストを他所に借りに行く方が好きだ。なぜならああしたテクストは私が書けるものよ…

瀧口修造にとっての、絵と文字の接近・融合(シュルレアリスム、オートマティックに書く/描くこと) 書くこと、描くこと、この二つのことの区別がまたわからなくなってきた。古代や原始に遡ると、文字も絵に近くなってしまうので、描くこととそれほど区別が…

ナジャ (岩波文庫)作者: アンドレ・ブルトン,巖谷國士出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/07/17メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (35件) を見る 【巌谷國士による訳者解説より】 「痙攣的」な美は、『ナジャ』という書物その…

視覚像としての文字――シャルコーの自己催眠実験

アール・ヌーヴォー―フランス世紀末と「装飾芸術」の思想作者: デボラシルヴァーマン,Debora L. Silverman,天野知香,松岡新一郎出版社/メーカー: 青土社発売日: 1999/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る ある夜、シャルコーはハシッシュの…

ヴァレリー集成? (ヴァレリー集成(全6巻))作者: ポールヴァレリー,Paul Val´ery,今井勉,中村俊直出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/02/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るぴんと張られた幕の上では、常に何もない平面の上では、生…

お知らせ

『ユリイカ』9月号(特集:サド――没後200年・欲望の革命史)に、「サド、建築家」と題した小文を寄稿いたしました。もうじき書店にも並ぶかと思います。ご高覧いただければ幸いです。 目次はこちら:http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791702770なお…

「建築のアルファベット」は何種類か見たことがあるけれど(高山宏『カステロフィリア』の巻末に図版掲載された、ロベール・マッサンのコレクションなど)、これは「解剖学のアルファベット」か。形態的類似によって文字を図像に見立てるという(絵文字・飾…

世界の認識と書物の形式

ボディ・クリティシズム―啓蒙時代のアートと医学における見えざるもののイメージ化作者: バーバラ・M.スタフォード,Barbara Maria Stafford,高山宏出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2006/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブ…

リベルタン的性愛文学の本文と挿絵

女哲学者テレーズ作者: 関谷一彦出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2010/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る訳者解説がなかなか充実している。この書の神に対するスタンスが理神論に近いこと、ラ・メトリ『人間…

『百科全書』と世界図絵作者: 鷲見洋一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/11/27メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (10件) を見るhttp://d.hatena.ne.jp/baby-alone/20120903

時間の前で―美術史とイメージのアナクロニズム (叢書・ウニベルシタス)作者: ジョルジュディディ=ユベルマン,Georges Didi‐Huberman,小野康男,三小田祥久出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2012/06/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品…

書物としての都市都市としての書物 (1982年)作者: 清水徹出版社/メーカー: 集英社発売日: 1982/04メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る「都市と書物とは、たがいに暗喩たりうるのではないか」から始まる、学術的エッセー。様々な雑誌に掲載された論…

『百科全書』と世界図絵作者: 鷲見洋一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/11/27メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (10件) を見る 18世紀人にとっての世界図絵とはカタログであった。 (30ページ) 著者はその例として、以下のものを…

挿図入り書籍の発展史

西村清和『イメージの修辞学――ことばと形象の交叉』三元社、2009年、第8章に概略史が記されている。もっともルネサンス期の聖書と、シェイクスピア以降のいわゆる「近代小説」や戯曲集が議論の中心。建築書や考古学関連の書籍(実際には、特定の地方ーーエジ…