国立新美術館の「ファッション イン ジャパン 1945-2020」展に行ってきた。戦前のモガの洋装、戦中の国民服、戦後の洋裁ブームと洋裁学校から、個々のデザイナー、ユースカルチャー、雑誌、広告、改造制服、DCブランド、アイドルや音楽とファッションの関係、ファストファッション、近年のSDGsエシカルを意識した流れまで、様々なレベルの「ファッション」が、時系列で並んでいるのだが、不思議と「雑駁」という印象はなく、日本の社会現象としての「ファッション」を規定してきた要素について、知見を広げつつ整理できたという感想。作家主義的なデザイナー論では、なかなか取り上げられなさそうなデザイナーやDCブランドが掬い上げられていた点もよい(それぞれの時代の空気のようなものの立役者、という意味で)。
個人的には、初期のMILKと金子功を見られたこと、(これまで初期MILKが紹介されているという知識のみだった)『服装』という雑誌の正体が分かったことも成果。