2010-01-01から1年間の記事一覧

東京都現代美術館で開催中の「トランスフォーメーション」展に行ってきた。他なる存在への生成変化、というコンセプト自体は既に頻出ではあるが、身体の内と外、男性と女性、動物と人間、モノと人体との「間」、その「往還」や「融合」について考えを進める…

今月(2010年12月)号の『建築雑誌』掲載の田中純氏の論考で、拙論「『古代』が召還されるとき――明治二〇年代の日本におけるギリシア幻想――」(『SITE ZERO/ZERO SITE』創刊0号、メディアデザイン研究所、2006年、278-316ページ)を引用して頂きました。ど…

指紋論 心霊主義から生体認証まで作者: 橋本一径出版社/メーカー: 青土社発売日: 2010/10/23メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (30件) を見る指紋には「推理」の介入する余地がない、という指摘が特に面白かった。すなわち、足…

横浜美術館で開催中(12月31日まで)のドガ展のレビューを、artscapeの「フォーカス」欄に寄稿いたしました。 http://artscape.jp/focus/1224725_1635.htmlこのレビュー執筆のために読んだポール・ヴァレリーの『ドガ ダンス デッサン』が素晴らしい面白さで…

来年3月に駒場で開催される国際学生カンファレンスで、発表者を募集しております。ぜひご参加ください。トリン・T.ミンハ氏の基調講演もあります。 [発表者募集] UTCP International Graduate Student Conference 2011の発表者を募集します。 下記のとお…

シェフィールドで開催された7th Annual AHRA (Architectural Humanities Research Association) Research Student Symposiumにて口頭発表するため、10月20日から27日までイギリスに滞在。学会を終えた23日以降は、ロンドンに。新古典主義期の建築を見物した…

11月13日(土)の表象文化論学会第5回研究発表集会にて、 口頭発表をいたします。タイトルは「書物内の旅──C.-N. ルドゥーの建築書における空間配列と身体性」です。朝9:30からのパネル1、部屋割は当日掲示になると思います。 http://www.repre.org/conve…

シンポジウムのお知らせ

私の企画によるシンポジウムが、いよいよ開催の運びとなりました。ぜひご来場ください。 ■シンポジウム「建築保存の現在」 【趣旨】 近年とみに、歴史的建造物を様々な形で「保存」する試みが盛んとなっている。 その形式は、現状そのままの「保存」から、ア…

思考の屑篭

Il est, en effet, une assimilation presque directe qui paraît possible entre l’espace et le langage : c’est celle du parcours et de l’énoncé, de l’itinéraire et du discours. On retrouve en cela le récit de voyage sous la forme du frayage d…

バルザックによる観相学

娼婦の栄光と悲惨―悪党ヴォートラン最後の変身〈上〉 (バルザック「人間喜劇」セレクション)作者: バルザック,鹿島茂,大矢タカヤス,山田登世子,Balzac,飯島耕一出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2000/12/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブ…

都市の解剖学

パリの夜―革命下の民衆 (岩波文庫)作者: レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ,植田裕次出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1988/04/18メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見る 第31夜 ばらばらにされた死体 […]帰りはサン=マルタン通りから…

自分自身のためのメモ

ピラネージの賛同者たちによる建築 ジョン・ソーン Pitzhanger Manor House Gallery & House http://www.ealing.gov.uk/services/leisure/museums_and_galleries/pm_gallery_and_house/history/ The opening hours are Tues-Fri 1pm-5pm, Sat 11am-5pm. ウィ…

Narrative Space関連文献

ジョルジュ・プーレ『円環の変貌』岡三郎訳、国文社、1990年(初版:1973年) 周囲の世界を「見る」人として、作中人物や語り手を捉える。特にフローベールに関する章。 前田愛『都市空間のなかの文学』ちくま学芸文庫、1992年(初版:1982年)。 方法論的な…

遅ればせながら、8月9日から13日にかけて行われた第18回国際美学会の報告を執筆いたしました。 http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2010/09/the-18th-international-congres/写真はこちらに。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/China/北京での5日間を終え、…

「言葉とイメージ」に関する論文を対象に、下記のようなコンクールがあるそうです。過去3年以内に刊行された、英・仏・西・葡・独・蘭語いずれかで書かれた論文であることが要件。(その他の言語の場合、査読者がつかない可能性がある、とのこと。)この文言…

オルセー美術館長、ギ・コジュヴァル氏によるレクチャー「ヴュイヤールの《公園》と象徴主義」の報告をUTCP blog上に掲載いたしました。 http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2010/08/report-utcp-lecture-jardin-pub/

ICA

8月9日から13日まで北京大学で開催される第18回国際美学会(The 18th International Congress of Aesthetics)で発表を行います。私の発表は、9日14:00-16:00のSection 1F(会場2nd Teaching Bldg. 313)にて、タイトルは「Housui YAMAMOTO's The Return of …

年次大会のお知らせ

今週末に以下の通り表象文化論学会が開催されます。私も4日のパネル5で口頭発表を行います。ぜひご参加ください。(土曜日と日曜日では会場が異なりますので、ご注意ください。) http://www.repre.org/event/conference/index.html 表象文化論学会第5回大会…

思考の屑篭

多木浩二はフランスの地理学者ルプティを引きつつ、サン・テティエンヌという小都市に関する記述に見られる時間性・空間性が、18世紀前半と後半ではラディカルな変質を被ったことを指摘している。すなわち、1718年には、この都市は時間と空間の中に固着し、…

アバター [初回生産限定] [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2010/04/23メディア: DVD購入: 11人 クリック: 166回この商品を含むブログ (207件) を見る3Dが売りの作品だが、残念ながらDVDでの鑑賞。スト…

西欧近代とエロティシズム

オルガスムの歴史作者: ロベールミュッシャンブレ,Robert Muchembled,山本規雄出版社/メーカー: 作品社発売日: 2006/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 40回この商品を含むブログ (8件) を見るミュッシャンブレは「心性mentalitéの歴史学」畑の歴史家。…

古典主義時代の性的情念

渡辺守章によれば、ラシーヌの独創は性的な「情念」を悲劇中の人物の中心に据えたことにある。サドのように露骨に「性」がその名で呼ばれることはないが、諸々の情念(政治権力に向かうものですら)が性的な根をもっていると渡辺は指摘する。そして、演劇に…

建築の観相学

この日の日記(http://d.hatena.ne.jp/baby-alone/20100326)で触れた、等角投射図法と人間の表情とを重ね合わせた図面、作者のHumbert de Supervilleについて調べてみたら、他にもいろいろと面白い「建築の観相学」を展開しているらしいことが分かった。 彼…

思考の屑篭

類似は外徴なしには存在しない。[…]相似の知は、これら外徴の摘出と解読にもとづく。[…]外徴の体系は可視的なものと不可視的なものとの関係を逆転させる。類似は、世界の深みにあって物を可視的ならしめていたものの、不可視的形式にほかならなかった。…

シャルル・ル・ブランによる観相学を建築理論に導入したニコラ・ル・カミュ・ド・メジエール(Nicolas Le Camus de Mézières)のLe génie de l'architecture, ou l'analogie de cet art avec nos sensationsも、Google Bookに捕捉されているのを発見。目次ペ…

ナビ派に関するセミナーのお知らせ

東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP) 中期教育プログラム「イメージ研究の再構築」主催 セミナー「ナビ派の再発見――美術史と趣味の変遷」2010年5月26日(水) 17:00–19:00 東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーション·…

フランチェスコ・ミリツィア(Francesco Milizia)の『市民建築の原理(Principi di architettura civile)』(1785年)が、Google Books上にアップロードされているのを発見。 http://books.google.co.jp/books?id=NWoOAAAAQAAJ 日本の大学図書館では京大の…

陽明門を視るピエール・ロティ

東照宮の近代―都市としての陽明門作者: 内田祥士出版社/メーカー: ぺりかん社発売日: 2009/06メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (7件) を見る内田祥士は『東照宮の近代』で、明治時代の「外国人」が東照宮に注いだ眼差しの例として、イギ…

Writing Architecture Conference

「建築の記述」をテーマにした国際シンポジウムが、7月22・23日にオーストラリアのブリスベンで開催されることを知る。(発表者募集期間は既に終了。) http://www.uq.edu.au/atch/index.html?page=129791 INHAで連続的に開催されている「Livre et Architect…