2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

テリー・ギリアム『ローズ・イン・タイドランド』(公式サイト) 不完全な、あるいは壊れたガラクタばかりで構築された、想像上の王国。自己完結した児戯で済まされなくなったら、夢の王国の支配者ではいられなくなってしまう。 覚醒剤による幻覚体験とてん…

日本近代美術史論 (ちくま学芸文庫)作者: 高階秀爾出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/06メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (13件) を見る主に明治期に活躍した画家たち(高橋由一、黒田清輝、青木繁、狩野芳崖、横山大観、菱…

新雑誌『SITE ZERO』のサイトが、いよいよオープンしました。 こちら→★ 拙論の要旨はこちら→ ★です。 レビューのコーナーは、1週間毎に1記事ずつ更新されていくことになっています。「Hans Bellmer Anatomie du desir」展(パリ:ポンピドーセンター)につい…

西野達 天上のシェリー展(メゾンエルメス)

銀座エルメスビルの最上部に聳え立つ旗を掲げた騎馬像の周囲を、プレハブで囲ってしまうという企画。会場に辿り着くまでの足場は想像以上に怖いものだった。 手すりは腰くらいまでしかないし、大きく開いた欄干の隙間はひ弱そうなネットが張られているだけだ…

幻想の中の過去

早くはドイツの哲学者フリードリヒ・フォン・シュレーゲルが、一八〇二年にミュゼ・ナポレオンに展示されたベアト・アンジェリコ、デューラー、ファン・エイクらの作品を称讃し、その後ナザレ派やラファエル前派の芸術や思想において表面化してくる、このよ…

未来的ユートピアと理想的古代、幾何学的図形のシンボリズム芸術(アルス)と生政治(ビオス)作者: 岡田温司出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2006/04/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (18件) を見るピラネージや革命期のペーパ…

入手文献 矢代幸雄「財団法人啓明會第26回講演集 日本の立場より見たる西洋美術」1928年。 矢代幸雄「財団法人啓明會第30回講演集 西洋美術に於ける東洋的要素」1928年。 Yukio Yashiro, Sandro Botticelli and the Florentine Renaissance, revised ed., Lo…

入手文献 磯崎新「幻想の建築家:ピラネージ」『SD』第155号(特集:イマジナリー・アーキテクチュア――G.B.ピラネージ)、1977年、25−28ページ。 マンフレード・タフーリ「G.B.ピラネージ――建築における否定のユートピア――」彦坂裕・八束はじめ訳、所収同上…

矢代幸雄『日本美術の再検討』

日本美術の再検討作者: 矢代幸雄出版社/メーカー: ぺりかん社発売日: 1994/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『藝術新潮』上に1958年1月から1959年3月まで連載された同題の論考を、単行本に纏めたもの。単行本化に伴い、「今日の美術史的知識か…

古代の幻―日本近代文学の“奈良” (SEKAISHISO SEMINAR)作者: 浅田隆,和田博文出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2001/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る冒頭章に収められたシンポジウム記録「古代という幻の装置」をコピー。文学研究の…

矢代幸雄『忘れ得ぬ人びと 矢代幸雄美術論集Ⅰ』岩波書店、1984年。 国内外の友人や恩人たちについての思いで語り。若い頃から親交のあった英米の東洋美術史研究家の名も数名挙げられているが、目に付くのが「個人の美術愛好精神は国家間の戦争をも超越した」…

黒いアテナ―古典文明のアフロ・アジア的ルーツ (2〔上〕)作者: マーティン・バナール,金井和子出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2004/06/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 82回この商品を含むブログ (7件) を見る黒いアテナ―古典文明のアフロ・アジア…

「文化国家」や「文化的統合の象徴」を論ずる上での最大の困難は、「文化」概念の定義や射程が論者によって異なることだ。例えば矢代は、「芸術」と置き換えても通じるような、ある種の高踏的な趣味判断によって選び取られる対象を「文化」と名指しているよ…

幻影のローマ―“伝統”の継承とイメージの変容 (シリーズ歴史学の現在)作者: 歴史学研究会出版社/メーカー: 青木書店発売日: 2006/03/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る“帝国”―グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性作者: アント…

今日の毎日新聞の夕刊に、表象文化論学会第一回大会(7月1-2日開催)についての記事が載っています。

苅部直「和辻哲郎の「古代」――『古寺巡礼』を中心に――」『日本近代文学』第72集、2005年、177−189ページ。 フェノロサ−天心流のギリシア/天平幻想の継承者、和辻の古代観について。日本近代文学会大会での発表原稿とのこと。ちなみに、このときの大会企画テ…

幻想の東洋〈上〉―オリエンタリズムの系譜 (ちくま学芸文庫)作者: 彌永信美出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブログ (8件) を見る幻想の東洋〈下〉―オリエンタリズムの系譜 (ちくま学芸文庫)作…