2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

岡倉天心(日本美術史講義におけるギリシア文明東漸説)や伊東忠太(法隆寺エンタシス説)の「ギリシア幻想」を追っていて面白いのは、むしろ「ギリシア的なもの」の幻視がさかんになった明治20年代を過ぎてからの彼らの進路である。天心は、インド訪問の際…

フェノロサと岡倉[天心]の提示した概念は、空間を時間に置き換える点で効力を発揮した。それは二つの方向に社会を再布置するものだった。それはまず、この列島にある異種混交的な形象を組織し、発展する日本の国家という物語に仕立てること、つぎに、この…

日本美術史における「古代」概念の構築――フェノロサ「奈良ノ諸君ニ告グ」(1888=明治21年6月5日) 奈良の浄教寺で行なわれた演説。ここでフェノロサは、まずローマと奈良とをアナロジーで捉える。かつて美術と宗教の中心であり、そしてその衰亡の後はしばら…

森美術館の「杉本博司 時間の終り」展へ。ホルバインによる肖像画を元にした蝋人形を、さらに写真に写した作品群が面白い。似姿の似姿の似姿は、作り物っぽさと迫真性の間を揺れ動いている。映画館のスクリーンを長時間露光で撮ったシリーズもあった。撮影の…

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