2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

L'autre et l'Ailleurs : conquérir la nature au siècle des Lumières

大学図書館にて、「他者と他所:啓蒙主義時代における自然の克服」と題された展示が開催されている。図書館蔵書の中から、18世紀の「未開地」への旅行記、自然誌、人類学と言った分野の書籍を数点展示したもの。部族たちの鯨面文身を描写した銅版画や、人種…

最近の読了本、民俗学(日本)関係

庶民の発見 (講談社学術文庫)作者: 宮本常一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1987/11/04メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 23回この商品を含むブログ (15件) を見るこのような規定は宮本常一の方法論に可能性を見出そうとする向きからは反発を受けるかもし…

Bibliothèque Municipale

21日の日曜日のこと。この日はフランス全土が「文化遺産の日」。旧市街にあるBibliothèque Municipaleでも普段は一般公開されていない部屋や資料についてのガイドツアーがあると聞きつけたので、いそいそと出掛けた。この図書館はもともとはイエズス会の神学…

histoire sans tension, sans chute et sans signification

ボーイッシュで可愛い女の子の表紙(フランスでもファッション誌に引っ張りだこのイギリス人モデル、アギネス・ディーンや、往年のイーディ・セジウィックを思わせる)に惹かれて、特急待ちのMacon Villeのキヨスクでたまたま手に取った雑誌が、今月号の『TÊ…

A la recherche de Christian Boltanski

クリュニー(Cluny)で開催されていたクリスチャン・ボルタンスキーの「Question/Réponse」展まで出掛けて来た。ロマネスク時代のベネディクト会修道院(ora et laboraを標榜した改革運動で知られる)の敷地内、Ecuries de Saint Hugues(聖ユーグの厩舎)を…

Qui suis-je?

田亀氏の名前が出てきたからついでに、というわけでもないのだけれど、山川純一作品の登場人物たちはどうしてあそこまで「名前を名乗る」のだろう。短編ポルノグラフィーなのだから、登場人物の名前など極論してしまえばAとBでも、いっそ最後まで分からぬま…

ロビンソン・クルーソー

ロビンソン・クルーソー〈上〉 (岩波文庫)作者: デフォー,Daniel Defoe,平井正穂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1967/10/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 30回この商品を含むブログ (22件) を見る もし誰かがある個人のこの世界における冒険の物語が…

さかしまの受難劇

古今東西の逆さ磔刑の図。画像は左;フィリッポ・リッピ「シモン・マグスとの討論と聖ペテロの磔刑」1481-82年、画像出典Web Gallery of Art、中央;月岡芳年「奥州安達がはらひとつ家の図」1885年、画像出典Wikipedia、右;天堂寺慎、制作年未詳(1970年代…

ローマにいたニンファたち。 目眩まし 緞帳としての宇宙 カーテンとその向う 二次元と三次元 窓の奥

ABCDaire

ABCDaireを更新しました→http://d.hatena.ne.jp/rodano/20080918 図版はすべて、ダニエル・アラスの『イタリアにおける「受胎告知」』(Daniel Arasse, L'Annonciation italienne, Paris:Hazan, 1999.)から。

Daniel Payot, Le philosophe et l'architecte : sur quelques déterminations phiilosophiques de l'idée d'architecture, Paris: Aubier Montaigne, 1982. http://www.amazon.fr/dp/2700702905/ Introduction Première partie : L'architecture, le commen…

コトリ

遠野物語・山の人生 (岩波文庫)作者: 柳田国男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1976/04/16メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 48回この商品を含むブログ (69件) を見る修士論文を無事提出した後の開放感から、パルミジャニーノの凸面鏡のあるコロニアルス…

考古学と「死者に名前を返すこと」

キケロの伝える記憶術の創始者シモニデス(BC557頃-467頃)にまつわる挿話。ある祝宴に招かれたシモニデスは、辛くも災厄による邸宅崩壊を免れ、一命を取り留める。遺族たちに請われて、彼は祝宴の客たちの席順を想起し、死者たちの身元確定に貢献する。 死…

原点回帰

目前に迫った修論提出に忙殺されている。そんな中で、遠い昔にフランスに憧れる切っ掛けとなった文章を憶い出す。 キスした人 お月様が夜おそくパリーの場末を歩いていると うしろから顔をねじ向けて無理にキスした者があった アッと声がして 向うの街かどを…