2016-01-01から1年間の記事一覧
ミシェル・フーコー思考集成〈5〉権力・処罰―1974‐1975作者: ミシェルフーコー,小林康夫,松浦寿輝,石田英敬,Michel Foucault,蓮實重彦,渡辺守章出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2000/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件…
あなたの微笑みはどこに隠れたの? [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2009/01/31メディア: DVD購入: 1人 クリック: 43回この商品を含むブログ (17件) を見る私はテクストを他所に借りに行く方が好きだ。なぜならああしたテクストは私が書けるものよ…
すでに18世紀初頭、イギリスの文筆家ジョゼフ・アディソンは、地震と津波により倒壊したナポリの古代ローマ遺跡の情景に、「古代の栄光の廃墟と、混沌の中にある偉大な壮麗さ*1」を――つまり持続的な時間経過によって出来した遺跡と同様の価値を――見出してい…
私の部屋にあるものは蒐集品ではない。 その連想が私独自のもので結ばれている記念品の貼りまぜである。時間と埃りをも含めて。石ころとサージンの空罐とインドのテラコッタ、朽ちた葉、ミショーの水彩、あるいは「月の伝説」と命名されたデュシャンからの小…
思考の腐蝕について―附・アルトー詩集 (1975年)作者: リヴィエール,飯島耕一出版社/メーカー: 思潮社発売日: 1975メディア: ?この商品を含むブログを見る 悪しき夢想者 ぼくの夢はまず第一に一杯のリキュール酒だ。一種の嘔吐の水だ。そこにぼくは潜りその水…
エロスの彼方の世界--サド侯爵作者: オクタビオ・パス,西村英一郎出版社/メーカー: 土曜美術社出版販売発売日: 1997/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ユートピア主義の哲学者が善というとしを建設するときと同じ純真で労をいとわない一貫した…
太陽王アンドレ・ブルトン作者: アンリカルティエ=ブレッソン,アンドレブルトン,Henri Cartier‐Bresson,Andr´e Breton,松本完治出版社/メーカー: エディションイレーヌ発売日: 2016/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 私は次のことを特に…
恵比寿のLa librairie 6(シス書店)で開催中の「アンドレ・ブルトン 没後50年記念」展(http://librairie6.exblog.jp/23304674/)で買い求めた書籍のうちの一つ、塚原史『ダダ・シュルレアリスムの時代』から、バタイユと眼(盲目の眼)についての抜き書き。…
蛙が殺された、 子供がまるくなつて手をあげた、 みんないつしよに、 かはゆらしい、 血だらけの手をあげた、 月が出た、 丘の上に人が立つてゐる。 帽子の下に顔がある。 (萩原朔太郎「蛙の死」、『月に吠える』1917年) あけがたの黒いミルク 僕らはそれ…
長い眠りの後に、ぼんやりと頭の中に入ってきた言葉を書き留める。詩作というより自動記述。解説を求められても、「向うからやって来た」言葉の列なので、作者の意図というものは無い。 このブログは研究のためのメモとしてやってきたけれど、他に残しておけ…
さて、サドの強者は弱者たちを、それがなくては彼らが生きてはいきない相互援助の連関から引き離し、多くの場合、人里離れた山奥、孤立した城(「そのすばらしい城は孤立していた isole」)、地下などに幽閉し、自分たちの情欲の満足のための道具と化す。サ…
書くことは、読者を予想し、先取りすることなしには不可能である。作家がこうして先取りしようとする読者は、しかし、決して真の他者ではありえない。それはまさしく鏡のなかの自分、このイマージュでしかないだろう。それゆえに彼は真の他者(《きみたち》…
資生堂ギャラリーまで、「Frida is 石内都展」(http://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/)へ。フリーダ・カーロの自邸に遺言により仕舞われていた、彼女の衣服や靴や化粧品、日記といった日用の遺品を、石内都氏が写したもの。2013年のパリ・フォ…
立秋を過ぎたとは思えない、陽射しが熱した油のような日、神奈川県立近代美術館葉山館で開催中の「クエイ兄弟:ファントム・ミュージアム展」(http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2016/quaybrothers/index.html)へ。点数では静止画のパ…
無事にソウルでの国際美学会から無事に帰国。成績登録期限が1週間後と気忙しいスケジュールだが、なにか「一息ついた」感じが欲しくて、国立新美術館のルノワール展(http://renoir.exhn.jp)へ。 複製されたイメージでよく知られている画家だが(むしろだか…
パリの廃墟作者: ジャックレダ,Jacques R´eda,堀江敏幸出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2001/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (11件) を見る図書館の地下書庫で、偶然背表紙の文字が目に飛び込んできて借りた一冊。1970…
表象文化論学会誌最新号、『表象10:爆発の表象』が刊行されました。 岡田温司・田中純両氏による巻頭対談「新たなるイメージ研究へ」を、私も少しだけお手伝いいたしました。すでに書店での販売も始まっているとのこと、ぜひご高覧ください。表象10:爆発の表…
瀧口修造にとっての、絵と文字の接近・融合(シュルレアリスム、オートマティックに書く/描くこと) 書くこと、描くこと、この二つのことの区別がまたわからなくなってきた。古代や原始に遡ると、文字も絵に近くなってしまうので、描くこととそれほど区別が…
世田谷美術館で開催中(〜4/10)の「ファッション史の愉しみ」展(http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibiti…/exhibition.html)に合わせて制作された読本に、拙論「建築と衣服――装飾をめぐるアンビヴァレンス」を寄稿いたしました。展覧会と併せ、ご高…
全体公開日にだいぶ遅れてしまいましたが、表象文化論学会ニューズレター『REPRE』26号に、2015年10月3日に勤務先で開催された「アニメ国際シンポジウム「日本アニメの歴史と現在」」についての報告を追加掲載していただきました。http://repre.org/repre/vo…
和洋女子大学メディアセンター図書購入申請反映状況(2015年度)【5月新着本】 ・深井晃子『世界服飾史 : カラー版』美術出版社、2010年:4F指定書383.1:Se22(サブカルチャーA、教科書、版元民事再生法適用申請中につき臨時措置) ・岡崎乾二郎『ルネサンス…
ナジャ (岩波文庫)作者: アンドレ・ブルトン,巖谷國士出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/07/17メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (35件) を見る 【巌谷國士による訳者解説より】 「痙攣的」な美は、『ナジャ』という書物その…
都会――閉ざされた無限。けっして迷うことのない迷路。すべての区画に、そっくり同じ番地がふられた、君だけの地図。 だから君は、道を見失っても、迷うことは出来ないのだ。 (安部公房「燃えつきた地図」、『安部公房全作品』第8巻、新潮社、1972年、6ペー…
都会――閉ざされた無限。けっして迷うことのない迷路。すべての区画に、そっくり同じ番地がふられた、君だけの地図。 だから君は、道を見失っても、迷うことは出来ないのだ。 (安部公房「燃えつきた地図」、『安部公房全作品』第8巻、新潮社、1972年、6ペー…