展覧会

国宝 土偶展(東京国立博物館) 大英博物館で開催されたエキシビションの帰国展示。一つの展示室内に70点弱の展示品という、比較的こじんまりとしたものだが、土偶の地域・年代毎のヴァリエーションや、土偶と近縁関係にあると思われる造形表現をも辿ること…

鏑木清方

清方ノスタルジア(サントリー美術館) 招待券を頂いたこともあり、久々にミッドタウンに足を運ぶ。若描きから晩年まで、帝展出品作からグラフィックデザインや新聞・雑誌のイラストレーションまで、清方の作品を辿り、ところどころで参照項として、江戸時代…

THEハプスブルク展(国立新美術館) http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/habsburg.html ハプスブルク家の人々の肖像、彼らが蒐集したヨーロッパの名画の数々、それから国交締結時に明治天皇からオーストリア・ハンガリー二重帝国に送られた日本…

ベルギー幻想美術館:クノップフからデルヴォー、マグリットまで(Bunkamuraミュージアム) http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_belgium/index.html ゴーギャン展(東京国立近代美術館) http://www.gauguin2009.jp/

アナクロニズム日記その2

「謎のデザイナー小林かいち」展(ホテルニューオータニ) 今回展示されているのは、全て絵葉書や封筒のグラフィックデザイン。彼の描くテーマは、叙情的で感傷的な少女趣味の世界なのだが、それが「少女同士の親密なコミュニケーション」の媒体に載せられる…

アナクロニズム日記その1

「かたちは、うつる」展(国立西洋美術館) 夏になると西洋美術館で開催される、版画や素描をテーマとした展覧会。その中でも今回の展示は、テーマ設定の仕方がとても新鮮で面白い。版画は原版を紙に「転写」することでイメージを得る技法だが、ここでの「う…

「かたちは、うつる」展(国立西洋美術館)

「小穴純とレンズの世界」展(東京大学教養学部 駒場博物館) http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/exihibition.html#koana 小穴純(1907-85)は応用物理光学の研究者。『アサヒカメラ』の連載「ニューフェース診断室」で「ドクター」を務め、また貴重文書の縮小…

「奇想の王国 だまし絵」展(Bunkamuraザ・ミュージアム)へ。 http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_09_damashie.html 展覧会カタログに収められた論文でも明言されている通り、「trompe-l'oeil」という特定のジャンルに属するもののみならず、…

畳みじわ

左・中央)Frans II Pourbus《最後の晩餐》1618年(ルーヴル美術館):耳慣れない名前の画家だが、この晩餐図はプッサンも激賞したという。 右)エドゥアール・マネ《静物:テーブルの上の果物》1864年(オルセー美術館) セザンヌが描く「テーブルと果物」…

ルーヴルの異邦人

ディジョンのエコール・デ・ボザール出身で、今やフランスを代表する売れっ子アーティストとなったYan Pei-Ming(嚴培明)のエキシビションが、なんとルーヴルで開催中であった。余りにも有名なレオナルドの《モナリザ》を通り過ぎると、突き当りには「モナ…

TERRE NATALE : AILLEURS COMME ICI @ Fondation Cartier

実は2日からパリに来ている。宿にほど近いダンフェール・ロシュロー駅界隈をうろうろしていたら、カルティエ財団(Fondation Cartier)を示す標識を発見。一度出掛けてみたいと思っていたギャラリーだったので、渡りに舟と足を向ける。 現在開催されているの…

バルセロナ現代美術館(MACBA)

1ヶ月半くらい間が空いてしまったが、バルセロナレポートの続き。 ミニマルな近代建築は、無機的で冷たく、自分の身体に馴染まないという印象を受けることが多い。しかし、リチャード・マイヤー設計のこの美術館は、モダンなホワイトキューブながら、壁の白…

カタルーニャ民族博物館(バルセロナ、スペイン)

小さな博物館ゆえあまり期待していなかったのだけれど、カタルーニャ地方で20世紀前半まで制作されていた奉納物(ex voto)などの展示もあり、意外となかなか楽しめた。企画展は「アフリカ」。西欧によるステレオタイプの投影と領有の問題にも触れていて、小…

Fantasia Erotica Japonesa

バルセロナ行きを決意したきっかけでもあったこの展覧会。正直、期待したほどでもなかった。個々の作品がもつ力はともかく、キュレーションが今ひとつというか、「何を見せたいのか」が伝わってこない。エロティックなファンタスムに関しての新しい切り口や…

L'autre et l'Ailleurs : conquérir la nature au siècle des Lumières

大学図書館にて、「他者と他所:啓蒙主義時代における自然の克服」と題された展示が開催されている。図書館蔵書の中から、18世紀の「未開地」への旅行記、自然誌、人類学と言った分野の書籍を数点展示したもの。部族たちの鯨面文身を描写した銅版画や、人種…

Bibliothèque Municipale

21日の日曜日のこと。この日はフランス全土が「文化遺産の日」。旧市街にあるBibliothèque Municipaleでも普段は一般公開されていない部屋や資料についてのガイドツアーがあると聞きつけたので、いそいそと出掛けた。この図書館はもともとはイエズス会の神学…

A la recherche de Christian Boltanski

クリュニー(Cluny)で開催されていたクリスチャン・ボルタンスキーの「Question/Réponse」展まで出掛けて来た。ロマネスク時代のベネディクト会修道院(ora et laboraを標榜した改革運動で知られる)の敷地内、Ecuries de Saint Hugues(聖ユーグの厩舎)を…

L'invenzione dei Fori Imperiali, Musei Capitolini (Roma)

8月2日、ローマ旅行の最終日に訪れたカピトリーニ美術館では、「L'invenzione dei Fori Imperiali, demolizioni e scavi : 1924-1940(フォリ・インペリアーリの発明、破壊と発掘:1924年〜1940年)」と題された企画展が開催されていた。考古学や古代の「再…

ブルゴーニュ生活博物館

旧市街まで出掛けたついでに、Musée de la vie BourguignonneとMusée d'art sacréへと赴く。 Musée de la vie Bourguignonne(ブルゴーニュ生活博物館、一般的な言葉を使うなら民俗博物館)は、かつては修道院だった建物にある。 1階は企画展示室で、現在は…

反復される退屈

薄曇りの土曜日(19日)、FRAC(Fonds Régional d'Art Contemporain de Bourgogne、サイト)のギャラリーに足を運ぶ。FRACとは1983年以来フランスの各地方毎に設置されている組織で、その名(現代美術地方財団)の通り現代アート関連の普及・援助・教育活動を…

Stage au Consortium

現代アートギャラリーでのインターン研修の2週目。Rachel Harrison(Greene Naftali Galleryのページ)というNY在住のアーティストの展覧会設営作業を行う。 搬入されてきた作品の数々。 今回の展示で中心となるのは、抽象的な立体造形にready madeのオブジ…

Stage au Consortium

コンソーシウム(Consortium)というディジョンの公立現代アートギャラリーで、現在インターン研修をしているところ。6月9日から13日までは、会期の終了した展覧会(Sturtevantというパリ在住のアーティストによるインスタレーション)の撤去作業と展示室の原…

Jan Fabre au Louvre : L'Ange de la métamorphose展(ルーヴル美術館)

ルーヴルの複数の展示室内に、そこに描かれている主題と呼応するファーブルの作品を配置したもの。ルーヴルの既存の展示とファーブルとがコラボレイトしたインスタレーション。フランスのプリミティヴ絵画の部屋では、ピエタと磔刑図(つまり身体的な面も含…

Traces du sacré展(ポンピドーセンター)

「神の死」(ニーチェ)や「神の後退」(ボードレール)以降の「聖なるもの」の表象のあり方(あるいはその非存在)を、19世紀以降の芸術作品の中に探るもの。ゴヤやルドン、フリードリヒといった「古典的作品」もあるが、ほとんどはモダンやコンテンポラリ…

Dominique Perrault展(ポンピドーセンター)

ドミニク・ペローはパリ国立図書館の設計などで知られる、フランスの建築家。galerie sudを使った、展覧会としては比較的小規模なものだった。当初のコンセプトを表すラフ・スケッチのぐちゃぐちゃの非定型な線(これがリジッドでソリッドな建築物になるとは…

la nuit des musees

8時過ぎまで明るい初夏のある夜、フランス中の1000の美術館が無料で夜間公開するという催し。ディジョン市立美術館(Musee des Beaux-arts)にて。 舞踏的な身振りの19世紀彫刻の間で、コンテンポラリーダンス。ダンスのポーズと彫刻のポーズがシンクロして…

東京都庭園美術館にて「建築の記憶ー写真と建築の近現代ー」展、3月31日(月)まで開催。 本展は、近現代の日本の建築を、同時代の写真家がどのようにとらえたかを辿りながら、建築史と写真史の変遷と接点を概観する試みです。これまで語られることのなかっ…

後期ティツィアーノと絵画の官能性(ウィーン美術史美術館) http://www.khm.at/homeE5.html ヴォーバン、太陽王の建築家(パリCité de l'architecture et du patrimoine) http://www.citechaillot.fr/exposition/galeries_d_expositions_temporaires.php?i…

SKIN & BONES(国立新美術館) ル・コルビュジェ展:建築とアート、その創造の軌跡(森美術館) 一度書き出すと長くなりそうなので、また改めて。