展覧会

原美術館で開催中のアドリアナ・ヴァレジョン展へ。新作の「サウナ/浴室」シリーズなどもあったが、目を惹かれたのは、キャンヴァスの裂け目や破れ目からポリウレタン製の血肉が溢れ出す作品群。それは、鋭利な刃物を連想させる切込みだったり(ルーチョ・…

「シアタープロダクツの現場」展(渋谷 PARCOミュージアム)theatre productsは、「theatre」の語が端的に示す通り、服を作って見せて売るという一連のプロセスを、スペクタクル的、パフォーマンス的に行なっているアパレルブランド。だからと言って、純粋な…

ビル・ヴィオラ「はつゆめ」展(森美術館)

・「写真の現在3 臨界をめぐる6つの試論」(国立近代美術館)北野謙の、特定の集団に所属する人々の肖像写真を何十枚も重ねて焼いたポートレイト集が印象に残った。眼を中心に重ねているのか、顔はほとんどぶれていないが、体の線は激しく揺れ動いていて、グ…

森鷗外と美術 和歌山県立近代美術館にて〜10月22日(日) 鴎外森林太郎の見た明治・大正の美術 近代日本を代表する作家・森鴎外(本名:林太郎)は、同時代の美術にも深い関わりを持っています。今回の展覧会は、美術の分野における鴎外の活動を紹介するととも…

リール近代美術館所蔵 ピカソとモディリアーニの時代(Bunkamuraザ・ミュージアム) 展覧会名に冠されている割には、ピカソは8点、モディリアーニは12点、全体の出品数に比すると決して多くはない。キュビスム以降のフランス近代絵画史の概要を、リール美術…

ロッテルダムのBoijmans van Beuningen美術館にて、「ピラネージ・カナレット・ティエーポロ」展を開催中とのことです。9月24日まで。 サイト→http://www.boijmans.rotterdam.nl/smartsite229.dws?goto=2114601&style=1652&substyle=125103

ル・コルビュジェvsアルド・ロッシ展(サイト) 新宿御苑のギャラリー&バー、and ZONEにて、9月15日まで。リトグラフと銅版画30点余りが展示されている。展示数自体は少ないけれど、ギャラリー中央のテーブルではロッシやル・コルビュジェの作品集が自由に…

ジャナイナ・チェッペ展(トーキョーワンダーサイト渋谷)

人工クラゲのように風船を纏って海と戯れるパフォーマンスや、水をテーマにしたドローイングなど。水というテマティックを、女性性の象徴とばかり片付けてしまってはつまらない。

光の魔術師 インゴ・マウラー展(東京オペラシティアートギャラリー)

西野達 天上のシェリー展(メゾンエルメス)

銀座エルメスビルの最上部に聳え立つ旗を掲げた騎馬像の周囲を、プレハブで囲ってしまうという企画。会場に辿り着くまでの足場は想像以上に怖いものだった。 手すりは腰くらいまでしかないし、大きく開いた欄干の隙間はひ弱そうなネットが張られているだけだ…

「ポンペイの輝き」展 ヴェスピオ火山噴火の犠牲者たちが所持していた、宝飾品やコイン、小さな偶像などの品々が多い。三方の壁に壁画を展示したブースや、女神の等身大の大理石像、地面に空いた穴を樹脂で象りした人型(火山灰の中で遺体の腐敗した後が穴に…

a birth 勝本みつる展 (目黒のMA2 Galleryで6月16日まで)

ドイツ表現主義の彫刻家 エルンスト・バルラハ展(〜5/28)東京藝大美術館 二次元上の精確な線が、次第に三次元上の簡略化された量塊へと化していくプロセスが辿れる。彫・塑像の衣服の襞も、最小限の運動性(ないし静止性)を表すものへと抽象化されていく…

色彩の画家 梅原龍三郎展(日本橋三越にて5月16日−28日、以降11月6日まで、心斎橋大丸、京都大丸、札幌大丸を巡回) 彼の中国・満州経験が、例えば藤島武二の朝鮮・琉球経験と比較してどのようなものであったのか? (c.f., artscape展覧会評 西欧の「イデア…

所蔵作品展 花より工芸(東京国立近代美術館工芸館)

「人形芸術の展開」と題された冒頭の展示室には、吉田良と四谷シモンの人形に加え、ハンス・ベルメールによる人形写真まで展示されている。「伝統工芸」の流れに棹差すであろう平田郷陽の布製人形がこの場に展示されていることには納得がいくのだが、ベルメ…

藤田嗣治展(東京国立近代美術館)

各時期を代表する作品を集めた、かなり大規模な回顧展。精緻なリアリズムによるが学生時代の自画像も、フジタを象徴する乳白色の裸婦像群も、未亡人存命中は何かと物議を醸したという戦争画も、それぞれ別の展覧会で目にしたことはあったが、クロノロジック…

・プラド美術館展(東京都美術館〜6/30) ベラスケス、エル・グレコ、ムリーリョ、ゴヤと言ったスペイン勢をはじめ、ティツィアーノ、ルーベンスなど、「巨匠」の作品が少しづつ取り揃えられている。作品数は少なめだけれども、コンパクトに纏められている分…

・Anatomie du desir ハンス・ベルメール展(ポンピドーセンター) ベルメールの作品(主にドローイングと写真)を年代順に並べた展示。人形の実物展示は一体、オブジェ作品が二点。量的にかなり充実している。作品集や日本での展示ではあまり見かけない作品…

イギリスのバッキンガム宮殿(クイーンズ・ギャラリー)で、Canaletto in Veniceと題したコレクション展をやっています。(4月23日まで) サイトでもonline exhibitionを見られます。 Explore the Royal Collection Online先ほど、ブラウザの左フレームに表…

東京−ベルリン/ベルリン−東京展(森美術館)

パウル・クレー展――線と色彩(大丸ミュージアム・東京) 前川國男建築展(東京ステーションギャラリー)

東京都写真美術館で、「植田正治:写真の作法」展と「写真展 岡本太郎の視線」を見る。 植田正治が砂丘で撮る家族の像は、シュルレアリスト式のデペイズマンや異化効果とも、かといってアンティームなポートレイトとも異なっていて、日常性と非日常性が奇妙…

森美術館の「杉本博司 時間の終り」展へ。ホルバインによる肖像画を元にした蝋人形を、さらに写真に写した作品群が面白い。似姿の似姿の似姿は、作り物っぽさと迫真性の間を揺れ動いている。映画館のスクリーンを長時間露光で撮ったシリーズもあった。撮影の…

面白そうな展覧会情報

Mélancholie: Génie et folie en Occident(グランパレ ナショナルギャラリー〜06年1月16日) 展覧会カタログの内容紹介(こちら)のページに、英語による詳細情報がある。西洋の美術における「メランコリー」の表象を辿ったものらしい。 Hors cadre(同上〜…

FORM_RAUM_IDEE(東京大学・駒場博物館〜12月9日) 建築模型という情報伝達メディアは面白い。縮尺を施された現実世界に対応する空間に、自足的に完成された世界が閉じ込められている。とりわけ、窓やドアといった開口部から内側を覗くときがいい。 三井家伝…

キアロスクーロ――ルネサンスとバロックの多色木版画展(国立西洋美術館:〜12月11日) 《ローマの景観》:ピラネージのまなざし展(同上)

プーシキン美術館展(東京都美術館、〜12月18日) 旧制ロシアの実業家モロゾフとシチューキンによる絵画コレクション(そのほとんどがフランス近代絵画)のエッセンスを抽出した展覧会。 写真パネルから伺える当時の展示手法が面白い。モロゾフ、シチューキ…

やなぎみわ「無垢な老女と無慈悲な少女の信じられない物語」展(原美術館〜11月6日) 古くからの伝承や童話の場面を、老女とのキマイラのような身体を持つ少女たち(実際には特殊メイクと仮面を用いている)が演じた、モノクロームの写真と動画の世界。 少女…

「プラート美術の至宝」展(損保ジャパン東郷青児美術館)と「写真はものの見方をどのように変えてきたか 第4部 混沌」展(東京都写真美術館)に足を運ぶ。☆☆☆プラートはフィレンツェ近郊の小都市。フラ・フィリッポ・リッピを中心に、14世紀から18世紀まで…