la nuit des musees

8時過ぎまで明るい初夏のある夜、フランス中の1000の美術館が無料で夜間公開するという催し。

ディジョン市立美術館(Musee des Beaux-arts)にて。
  
舞踏的な身振りの19世紀彫刻の間で、コンテンポラリーダンス。ダンスのポーズと彫刻のポーズがシンクロしていればもっと面白かったのだけれど、特にそういう趣向は凝らされておらず。
  
最上階にある現代美術展示室では、ブラスバンドの演奏が。左はディジョン在住の中国人アーティスト、嚴培明(ヤンペイミン)の自画像の前。左側の少年が、「嚴培明の絵画の筆致のリズム」というようなテクストを読み上げた後で演奏が始まった。嚴は商業的にも相当成功しているアーティストらしく、日本の国立近代美術館にも一枚所蔵がある。水墨画を連想させるモノクロームの色彩で、イコン的な著名人(毛沢東ブルース・リーローマ教皇)から無名のアジア人にいたるまで、人物の巨大な顔ばかりを描き続けている。
    
展示室に穿たれた数々の「窓」。アルベルティ的比喩?

パフォーマンスを行っているのは、高校の部活動のメンバーや地元の音楽院の学生といった風情。ハイアマチュアセミプロの市民たちの活動発表の場も兼ねているのかもしれない。
目隠しをして、案内人の声による解説のみで美術鑑賞をするという、Insolites les yeux fermesという企画もあったようだが、タイミングが合わず参加できなかった。

時間がなくて行けなかったのだけれど、自然史博物館ではプラネタリウムや影絵芝居、付属庭園内をランプの光で巡り夜行性の昆虫や動物を観察するツアーもあったらしい。これは本当に「夜の博物館」という感じがする。