空間イメージ

オンラインシンポジウム「テクストを建てる、イメージを歩く」(9/12)開催報告

9/12オンラインシンポジウム「テクストを建てる/イメージを歩く」の報告が、勤務先大学のウェブサイトに掲載されました。https://www.wayo.ac.jp/academics/ja_cul/nihonbungaku_blog/tabid/312/Default.aspx?EntryID=1350 「参加したかったが叶わなかった…

旅としてのテクスト、庭園としてのテクスト 森のバルコニー・狭い水路 (白水社世界の文学) 作者:ジュリアン・グラック,中島昭和 メディア: 単行本 旅――帰還を念頭に置かない旅だけがもろもろの生の扉をわれわれに開き、真にわれわれの人生を変革させうるもの…

Au château d’Argol シルトの岸辺 (岩波文庫) 作者:ジュリアン・グラック 発売日: 2014/02/15 メディア: 文庫 アルゴールの城にて (岩波文庫) 作者:ジュリアン・グラック 発売日: 2014/01/17 メディア: 文庫 最近、ジュリアン・グラックによるテクストの「建…

昨年度・今年度と、新入生向け宿泊セミナーの企画担当として、講義共通テーマの設定に関わった。事前指導用に作成し学生に配布した「講義テーマの趣旨」は、私自身の関心を再確認するものでもあるので、メモランダムとしてこちらに。 2017年度日本文学文化セ…

ストローブ=ユイレを考え(続け)る

シネマ2*時間イメージ (叢書・ウニベルシタス)作者: ジルドゥルーズ,宇野邦一,江澤健一郎,岡村民夫,石原陽一郎,大原理志出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2006/11/15メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 125回この商品を含むブログ (77件) を見るド…

最近観た映画メモ:デヴィッド・リンチ『インランド・エンパイア』2006年 夢から醒めたはずが、次々と別の夢へと滑り落ちていくかのような、「劇中劇」というメタ構造の枠が溶解してしまったような作品。クリストファー・ノーラン『インセプション』の厳密で…

ディドロやグーシエにとっては、また、アンシクロペディスト一般にとっては、世界は全く解読が可能な、開かれた大きな書物なのだ。その書物がそれ以前に「解読され」なかったのは、あまりにも多くの偏見から書物が「開かれる」のを妨げられていたからであり…

集合住宅という場

異邦人 (新潮文庫)作者: カミュ,窪田啓作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1963/07/02メディア: ペーパーバック購入: 21人 クリック: 167回この商品を含むブログ (412件) を見るここに登場する空間は、ほぼ二種類に分けられる。絶対的開放空間であり、決定的…

十八世紀の恐怖―言説・表象・実践 (叢書・ウニベルシタス)作者: ジャックベールシュトルド,ミシェルポレ,Jacques Berchtold,Michel Porret,飯野和夫,中島ひかる,田所光男出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2003/12メディア: 単行本 クリック: 19回この…

映画的経験としての列車からの眺め

そのとき窓ガラスの枠のなかにあらわれた黒い小さな林の上に、えぐられたようにくぼんだ雲が見えた。やわらかいうぶ毛を思わせるその雲のバラ色の部分は、そこに固定され、生命を失って、まるでそれを吸収した鳥の翼の羽毛を彩るバラ色か、あるいは画家の風…

1月10日に開催されたUTCPワークショップ「ピラネージの建築空間を遊歩する:『幻想の牢獄』3D映像化の試み」のブログ報告をアップしました。 http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2012/01/post-507/

miniature

様々な場所で撮り貯めた「縮小された世界」のイメージを、一つのフォルダに纏めてみた。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/miniatures/ 上に掲げた写真2枚は、パリのカルナヴァレ美術館に展示されていたジオラマ。偶然にも、本城直季氏のsmall planetシリー…

未来のアリス

YouTubeを渉猟していて、面白いフレグランスのCMを何本か見つけた。シンデレラや不思議の国のアリスといった少女的なメルヘンを、妖艶で蠱惑的な大人の女性で演じ直す趣向。空間の構成も、都市の中に開いた幻想空間という感じだ。近未来的で無機質なのにファ…

カンヴァセーションピースとシアトリカリティ

Peter Greenaway監督のLa ronde de nuit(Nightwatching邦題レンブラントの夜景)を見てきた(といっても、もう2週間以上も前の話だ)。『夜警』の製作背景を中心に、画家レンブラントの生涯を描いたもの。 最初の場面は、劇場の舞台と思しき空間の中央に設…

聖なる空間と透視図法

Daniel Arasse, L'Annonciation italienne: Une histoire de perspective, Paris: Hazan, 1999. Amazon.frのページ:http://s-url.jp?12323 『受胎告知』のテーマを、その出来事が起こる空間の表象形式(透視図法)という観点から分析したもの。

場所の現象学―没場所性を越えて (ちくま学芸文庫)作者: エドワードレルフ,Edward Relph,高野岳彦,石山美也子,阿部隆出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1999/03/01メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 66回この商品を含むブログ (26件) を見るAmazon.co.jpから…

『サンセット大通り』ビリー・ワイルダー監督、1950年(goo映画)いまや忘れ去られたサイレント時代の映画スターの、過去の栄光への妄執を、老いの見えはじめたグロリア・スワンソン(彼女自身もサイレント時代に活躍)が演ずる。このフィルムの供給元でもある…

Sven Sandstroem, Levels of unreality : Studies in structure and construction in italian mural paintings during the Renaissance, Almqvist & Wiksells Boktryckeri, 1963. 絵画内空間における「現実らしさ」の諸レベルについて。ならびに絵画内空間と…

島本浣「<風景>と<眺め>」『藝術論究』第17〓18編、帝塚山学院大学、1990〓91年。→18世紀フランス絵画におけるpaysageとvueの概念についての論考。

「郷土」というイデオロギー

ふと心惹かれた画家、オットーネ・ロザイ(Ottone Rosai)。ストラパエーゼ(郷土派:1920年代にイタリアで勃興した、地方小都市や田舎の伝統を礼賛する文化運動)の担い手に分類されているようだけれども、彼が描くのは、センチメンタルなだけの牧歌的風景で…