クロソウスキー象形文字としての「ステレオタイプ

事実、私は筆跡学から能書術、というかむしろ象形文字学へ移ったのです。私は絵を象形文字として扱っているわけです。[…]私が従う或る種のステレオタイプがあり、拒絶する別のステレオタイプがある。絶えざる自己批判です。私が出発したのは壁画、そこに含まれる演劇性、スペクタクル的な側面をひっくるめて、壁画という理念からでした。私は自分が仕事をしているのは壁面の上で、つまりその垂直性との関係においてなのであって、一冊の本を差し出すように差し出すこともできるようなイメージから出発してなのではないということを、かたときも忘れたことはありません。

 (クロソウスキー「アラン・アルノーとの対話」、『ルサンブランス』154ページ(引用部分はクロソウスキーの発言)。)