2008-01-01から1年間の記事一覧
先週末のこと、18日(土)19日(日)と、ブルゴーニュ大学のキャンパスを会場に行われたDijon Saitenに参加した。「日本」をテーマにしたフェスティヴァルで、パリで毎年行われるJapan Expoを小規模にしたものと言えば分かり易いだろうか。伝統文化(茶道や…
ディジョンで毎年10月に開催される日本フェスティヴァル「Dijon Saiten」に、18日(土)、19日(日)の両日参加。アシスタントをしている日本語教室が、「伝統文化」の部門に出展することになり、私はお伽話集のイラストレーションを担当。ついにコミケで同…
『TOKYO!』監督ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ http://www.tokyo-movie.jp/ 3編のオムニバス映画。「東京」という舞台装置は勿論だけれど、上手く歩けない身体という点でも3作品が繋がっていたところが面白い。ただ、どの作品も「…
ユートピア (岩波文庫 赤202-1)作者: トマス・モア,平井正穂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1957/10/07メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 43回この商品を含むブログ (75件) を見るユートピア(トマス・モア、1516年) 形状:四面を海に囲まれた孤島。「…
ウェブ上にアーカイヴされている山川純一の漫画作品「俺がいちばんセクシー」(1987年)を読んでいて、ふと気がついたのだけれど、ナルシシズム(この場合はオートエロティシズムと言った方が適切か)は結果的には同性愛に帰着するのではないか。(鏡という…
Luigi Fenizi, Lo Specchio infranto : sguardi, metafore, enigmi, Roma : Bardi Editore, 2008. 7月末のローマ旅行の際に、通りすがりの本屋の飾り窓で見掛けて、ついつい手に取ってしまった一冊。『砕けた鏡:視線、メタファー、エニグマ』というタイトル…
修士(Master2)論文、口頭審査ともに無事に通過しました。博士課程への登録は、書類の手続きがやたらと煩雑。
Jean Viel de Saint-Maux:解読すべき謎としてのヒエログリフと「ヘルメスの石」としての建築。 c.f. Anthony Vidler, The writing of the Wall, N.Y.:Princeton Architectural Press, 1987, pp.139-146.(Symbolic Architecture, Viel de Saint-Maux and the…
永遠の都ローマの遺跡写真をアップロードしました。真夏の太陽の下で写したので、色彩も陰影も全てが眼に焼き付くように鮮烈。→1、2
斜めにのびる建築―クロード・パランの建築原理作者: クロード・パラン,戸田穣出版社/メーカー: 青土社発売日: 2008/09/25メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 11回この商品を含むブログ (17件) を見る原著:http://www.amazon.fr/dp/2858938059/ Amazon jp…
大学図書館にて、「他者と他所:啓蒙主義時代における自然の克服」と題された展示が開催されている。図書館蔵書の中から、18世紀の「未開地」への旅行記、自然誌、人類学と言った分野の書籍を数点展示したもの。部族たちの鯨面文身を描写した銅版画や、人種…
庶民の発見 (講談社学術文庫)作者: 宮本常一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1987/11/04メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 23回この商品を含むブログ (15件) を見るこのような規定は宮本常一の方法論に可能性を見出そうとする向きからは反発を受けるかもし…
21日の日曜日のこと。この日はフランス全土が「文化遺産の日」。旧市街にあるBibliothèque Municipaleでも普段は一般公開されていない部屋や資料についてのガイドツアーがあると聞きつけたので、いそいそと出掛けた。この図書館はもともとはイエズス会の神学…
ボーイッシュで可愛い女の子の表紙(フランスでもファッション誌に引っ張りだこのイギリス人モデル、アギネス・ディーンや、往年のイーディ・セジウィックを思わせる)に惹かれて、特急待ちのMacon Villeのキヨスクでたまたま手に取った雑誌が、今月号の『TÊ…
クリュニー(Cluny)で開催されていたクリスチャン・ボルタンスキーの「Question/Réponse」展まで出掛けて来た。ロマネスク時代のベネディクト会修道院(ora et laboraを標榜した改革運動で知られる)の敷地内、Ecuries de Saint Hugues(聖ユーグの厩舎)を…
田亀氏の名前が出てきたからついでに、というわけでもないのだけれど、山川純一作品の登場人物たちはどうしてあそこまで「名前を名乗る」のだろう。短編ポルノグラフィーなのだから、登場人物の名前など極論してしまえばAとBでも、いっそ最後まで分からぬま…
ロビンソン・クルーソー〈上〉 (岩波文庫)作者: デフォー,Daniel Defoe,平井正穂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1967/10/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 30回この商品を含むブログ (22件) を見る もし誰かがある個人のこの世界における冒険の物語が…
古今東西の逆さ磔刑の図。画像は左;フィリッポ・リッピ「シモン・マグスとの討論と聖ペテロの磔刑」1481-82年、画像出典Web Gallery of Art、中央;月岡芳年「奥州安達がはらひとつ家の図」1885年、画像出典Wikipedia、右;天堂寺慎、制作年未詳(1970年代…
ローマにいたニンファたち。 目眩まし 緞帳としての宇宙 カーテンとその向う 二次元と三次元 窓の奥
ABCDaireを更新しました→http://d.hatena.ne.jp/rodano/20080918 図版はすべて、ダニエル・アラスの『イタリアにおける「受胎告知」』(Daniel Arasse, L'Annonciation italienne, Paris:Hazan, 1999.)から。
Daniel Payot, Le philosophe et l'architecte : sur quelques déterminations phiilosophiques de l'idée d'architecture, Paris: Aubier Montaigne, 1982. http://www.amazon.fr/dp/2700702905/ Introduction Première partie : L'architecture, le commen…
遠野物語・山の人生 (岩波文庫)作者: 柳田国男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1976/04/16メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 48回この商品を含むブログ (69件) を見る修士論文を無事提出した後の開放感から、パルミジャニーノの凸面鏡のあるコロニアルス…
キケロの伝える記憶術の創始者シモニデス(BC557頃-467頃)にまつわる挿話。ある祝宴に招かれたシモニデスは、辛くも災厄による邸宅崩壊を免れ、一命を取り留める。遺族たちに請われて、彼は祝宴の客たちの席順を想起し、死者たちの身元確定に貢献する。 死…
目前に迫った修論提出に忙殺されている。そんな中で、遠い昔にフランスに憧れる切っ掛けとなった文章を憶い出す。 キスした人 お月様が夜おそくパリーの場末を歩いていると うしろから顔をねじ向けて無理にキスした者があった アッと声がして 向うの街かどを…
「フランスでは日本のサブカルチャーがブーム」という科白は、2000年代初頭から耳にしていたが、実際にフランスの地方都市に来てみると、どんな層(cultural tribe)が何を求めて日本のサブカルチャーを享受しているのか、いまひとつよく分からないのも事実。…
空中紳士―合作探偵小説 (春陽文庫)作者: 耽綺社同人出版社/メーカー: 春陽堂書店発売日: 1994/07メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る耽綺社は5人の探偵小説作家による同人。この『空中紳士』は、解説によれば実質江戸川乱歩の筆…
砂金 (愛蔵版詩集シリーズ)作者: 西條八十出版社/メーカー: 日本図書センター発売日: 2004/03/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (12件) を見る「同期の桜」といった軍歌から「青い山脈」などの歌謡曲まで、やたらと守備範囲…
Alain Schnapp, La Conquête du passé: aux origines de l'archéologie, paris: Éditions Carré, 1993. 副題は「考古学の(複数の)起源」。17世紀の古遺物研究家(Antiquaire:シュナップの定義では「古遺物研究」の発祥はルネサンスではなく17世紀である)…
建築のアーキタイプなる概念を通史的に扱った書籍として名高い、ジョセフ・リクワートの『アダムの家――建築の原型とその展開』(黒石いずみ訳、SDライブラリー、1995年)。英文オリジナル版(Joseph Rykwert, On Adam's House in Paradise, The Idea of the …
Jeffrey Collins, Papacy and Politics in Eighteenth-Century Rome: Pius VI and the Arts, Cambridge University Press, 2004. http://www.amazon.com/dp/0521809436/ ヴァティカン美術館の古代美術コレクションでも知られる教皇ピウス6世による、芸術への…