欧州日記
2020年2月20〜21日ベルリン滞在。「シークエンシャルな語り」「空間と記憶」をテーマに建築巡りを行う。 2月20日:クリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーション《失われた家(Missing House)》、街路に埋め込まれた「躓きの石」、博物館島からとりわ…
フランクフルトの街。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/Frankfurt/5月のドイツはすでに美しい初夏で、ラピスラズリ色の空の下、薔薇は様々な形と色で咲き、蜜蜂が陽気な音楽を奏でていた。
フランス滞在中に、何度「郵便的不安」という分かったようでいて実は全然分かっていないタイトルの日記(某SNS内にひっそりと存在)を書いたか分からない。長らく未到来だった書籍小包が、漸く全て到着したので、今回は「フランスを引き上げる際の引越しにま…
良くも悪くも、フランスという国は、日本では画一的なイメージで捉えられやすい。しかも、私のようなもはや若者でなくなりつつある世代から見ても、この手の「フランス」イメージは、正直ダサいと思えることもしばしば。そんなステレオ・タイプを崩すような…
フランス留学直前、DALF C1を受験するべく邁進していた時期よりも、皮肉なことに留学中の方がむしろ意識的に「フランス語」を勉強する機会が減少していたので、その分を挽回すべく、DALF C2でも受験しようかと考えているところ。ちなみに私はDALF C1のproduc…
7月1日 日本に帰国。「帰ってきた」というよりも、パラレルワールドに落ち込んだような感覚である。樹々の緑が水蒸気で水彩画のように滲んでいる光景と、紫陽花の色の淡さに、「日本」を実感する。志賀重昂の日本風景論みたいだ。 フランスの博士課程に籍を…
美しい初夏のある日、醸造街道(Route des grands crus)に赴いた折の写真。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/Route%20de%20Grand%20Cru/
ここ最近は自分の研究対象にまつわる瑣事と、ニューロマンティックスの綺麗なお兄さんたちの記事ばかりになってきたので、たまにはアクチュアルなフランス社会の情報でも。インターネットにおける違法ダウンロードを規制する法律loi Hadopi、5月12日の可決時…
Paris secret et insolite, PARIGRAMME, 2009(nouvelle éd.) http://www.amazon.fr/dp/2840965720/ かなり時宜を逸してしまったが、3月のパリ滞在の折、間借りしたお宅で見つけて面白かったガイドブックの紹介。「風変わりな秘密のパリ」というタイトルが示…
Le Monde diplomatiqueから日本特集の別冊「Manière de voir−Le Japon méconnu」が出ているのを発見。 http://www.monde-diplomatique.fr/mav/105/
5月最初の休日には、ヴェズレーの丘の上にある大聖堂へ。サンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂への巡礼拠点の一つでもあるこのバシリカ式聖堂には、マグダラのマリアの聖遺物が祀られている。 12世紀に作られたという、有名なティンパヌム。フランス革命期に…
ジャン・ヌーヴェル設計のアラブ世界研究所。 ガラスの裏側に設置されたシャッター。カメラの絞りと同様の仕組だというこの装置は、裏面から見ると手が切れそうなくらい無機的でメカニックな印象だ。このシャッター構造が作り出す八芒星の反復は、イスラム建…
ディジョンでお世話になっている方に教えて頂いた話題。要はフラマリオンから刊行された「名作を粗筋で読む」シリーズのモンターニュ『エセー』が、仏語オリジナルからの要約ではなく、日本語による抄訳を更に仏訳したものだということ。 http://editions.fl…
パリで迎える最後の日曜日、今日は自分の好きなことだけをしようと決めて、まずはリュクサンブール美術館で開催中の「両リッピ(父フィリッポと子フィリッピーノ、ルネサンス期のプラートで活躍した画家)」展へ。街中にポスターが貼られ、入場料が11ユーロ…
美術館を出た後は、新緑に彩られたブルゴーニュ運河とキール湖を散策。ブルゴーニュ運河は19世紀に物資運搬用に作られたが、直後に敷設された鉄道にその役割を奪われ、その後は専ら観光に用いられてきた。その歴史の浅さと短命さゆえに、ディジョンの街は運…
3月、パリに滞在した折の写真をアップロードしました。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/Paris-mars-09/ 暫くしたらテーマ毎のフォルダに振り分ける予定ですが、まずはひとまとめにしてみました。1ヶ月の間に感覚が捉えたものの残像、思考の切れ端などは、…
奨学金の関係で、ブルゴーニュ西部にあるヌヴェールという街を訪れた。そのときの断片。 午後の2時間ほどを割いて、オプションとして催されたガイド付き小ツアーに参加。まず現在は市庁舎の置かれているPalais ducalを見学する。中世とルネサンスの混合様式…
シャンパーニュ(エペルネ、ランス)とアルザス(ストラスブール、コルマール)の写真をアップロードしました。 シャンパーニュ:http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/champagne/?sort=old コルマール:http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/colmar/?sort=new ス…
2月13日から19日まで、シャンパーニュ(ランス、エペルネ)とアルザス(ストラスブール、コルマール)を巡る旅をした。 ストラスブールもコルマールも、フランスとドイツの伝統が並存し、独特の「郷土色」の色濃く残る、面白い街だった。以前ディジョンのス…
古い建物のファサードに見つけたカリアティッド(人物像柱)。図書館から中心街へと行く際に、この建物の前をしょっちゅう通るのだが、摩耗と損壊があまりにも激しく、今まで人物像柱だとは気付かなかったのだ。よく見ると、写真左は有翼の人物(天使?)で…
閉館の合図で図書館を出ると、辺り一面が乳白色の霧に包まれていた。街灯の赤い光が、ぼんやりと滲んでいる。今年の冬はやけに霧が出る。夜の霧を見ると、川端康成の短篇「片腕」の一節を憶い出す。霧の夜には時計が狂いやすく、またその発条も切れやすい。…
大学図書館の書架でA la recherche de la méloire (著者はDaniel L. Schacter, De Boeck Université, 1999.)という本を見つけ、タイトルに引かれて手に取ってみた。ふと表紙に記された「traduction de la 1re édition américaine」の一文に目が止まる。「米…
1月6日は公現祭(épiphanie)。カトリックの教義では、東方三博士の礼拝が行われた日である。この日はgalette des rois(王様の焼き菓子)を食べるのがフランスでの慣わし。この焼き菓子の中には、フェーヴと呼ばれる小さな陶器製の人形やミニチュアが入っ…
新年に初詣代わりに教会巡りをした。これはノートル・ダム教会で見つけた、一種のおみくじ。受胎告知の一節(聖ルカ福音書)が記されている。concevoirは「着想を得る」の意味もあるし、幸先良さそう。 左:サン・ミシェル教会 中央:ノートル・ダムのジャッ…
リリー・マルレーンの歌詞が似合いそうな街灯。石を積んだ城壁は、確か中世まで遡る古いもの。
日本には「僕女」「俺女」と呼ばれるカテゴリーが存在するけれど、例えばフランス語で「僕女」的アイデンティティーを表現することは可能なのだろうか?大学院受験のためにフランス語を習い始めた時から、くすぶっていた疑問である。最近のこと、和製マンガ…
5日間のバルセロナ旅行で写した写真をuploadしました。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/BCNArchitectures/ バルセロナの建築と街並。ゴシックからモダニズム、名のあるアーキテクトの作品から平凡な家並まで。http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/faces/ ht…
ある漫画家の方のブログに、ちょっと面白い部分を見つけたので抜粋。 「闘技場〜アリーナ」の前半部分を除いては、手書きの擬音も全て画像から除去して、フランス語に差し替えた完全版。(何で「闘技場〜アリーナ」の前半だけ、日本語の書き文字が残っている…
漸くスペイン行きの日程を決め、長距離バスと宿の予約を済ませた。『L'Imaginaire érotique au Japon』の著者であるフランス人Agnès Giardがキュレーションを手掛けたエキシビション「Fantasia Erotica Japonesa」が、バルセロナの画廊であるというので、衝…
過日の日記(http://d.hatena.ne.jp/baby-alone/20080824)で触れた、フランスの新聞Libérationに掲載されたという田亀源五郎氏の紹介記事を、日々の無聊を慰めるために邦訳してみた。(いや、本当は暇ではないはずなんだけど。)独特の俗言が多くて、意外と…