最近の読了本、民俗学(日本)関係
- 作者: 宮本常一
- 出版社/メーカー: 講談社
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- 作者: 佐々木喜善
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[学問の]その二のものは、人間の心の底に潜んでいるもの、忘れられているもの、又古い人間の姿、祖先の精神生活の跡というような、現在一向回想もせず気もつかずにいることを、何人かに依って、ぽッかりと暗夜に灯火を点けるように言い示し、記憶から呼び起されて行くもの、即ち宗教とか、文学とか、芸術とか、あるいは又我々が、現に提唱しているところの民俗学とかいうような方面のことであります。
(上掲書、116ページ。)
先日読んだ柳田の『遠野物語・山の人生』もそうであるが、上記2冊にも収集した民間伝承が列記されていて、民話・伝説集としても楽しめる。同じような地盤をもつ同じような種類の口碑を取り集めているのに、柳田によって語り直される文章には何故か不思議と、泉鏡花を思わせる幻想性が漂っている。
ちなみにこれらの民俗学本は、こちらに来てから観た『千と千尋の神隠し』を切っ掛けになぜか「民俗学的なもの」「東北的な土着文化」に妙に嵌ってしまい、或る方に依頼して日本から送って頂いたもの。