オブジェとの邂逅、石の夢

太陽王アンドレ・ブルトン

太陽王アンドレ・ブルトン

私は次のことを特に強調しておきたいのだが、特異な石で、おまけに手に入れたくなるほど美しいが、発見するにしても全く見たことがないような石に対して、好奇心を露わにし、その探索の虜となり、有体に言って最初の発見ほどではないにせよ、時たまそうした思いがけない掘出物に恵まれることは、まったく格別のことなのである。そんなとき、そこに少しは私たちの運命が作用しているように思われるのだ。私たちはこうした恵みへの欲望と誘惑に完全に捕らわれ、もっぱら、獲得されたオブジェを目の当たりにして、昂揚し得るのだ。オブジェと私たちとの間で、互いに浸透し合うかのように、アナロジーを通じて、一連の神秘な交感が即座に行なわれるのである。
(上掲書、43ページ。)