2009-01-01から1年間の記事一覧

奇想科学の冒険―近代日本を騒がせた夢想家たち (平凡社新書)作者: 長山靖生出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2007/06/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (19件) を見る幕末から明治にかけて、今日では「トンデモ」の部類に入る学…

THEハプスブルク展(国立新美術館) http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/habsburg.html ハプスブルク家の人々の肖像、彼らが蒐集したヨーロッパの名画の数々、それから国交締結時に明治天皇からオーストリア・ハンガリー二重帝国に送られた日本…

お知らせ

東京大学大学院総合文化研究科フランス語系学生論文集『Résonancesレゾナンス』のサイトが創設されました。 http://langue-fr.c.u-tokyo.ac.jp/resonances/ 過去の論文をpdfファイルでダウンロードできます。 表象文化論学会のニューズレター『repre』09号が…

pensée

1865年に開かれたサロンの出展目録の中に挟まれていた、三色菫の押し花。誰かの思想の残存かもしれない。

Appel à Contribution‏

ブルゴーニュ大学で2010年6月下旬に開かれる国際学会の、発表者を募るメールを受け取る。テーマは「言葉とイメージ」。(このテーマ、本当にここ10年くらい流行っているんですね……) International Conference 24-26 June 2010 Word & Image: Theory in the …

お知らせ:ニューヨーク大学リンダ・ノックリン教授講演会

<Linda Nochlin リンダ・ノックリン>(Lila Acheson Wallace Professor of Modern Art at the Institute of Fine Arts/New York University, Dr. Linda Nochlin) 専門:19-20世紀の絵画と彫刻(クールベ、マネ、ドガ、セザンヌなど)、現代の美術と理論、…

講演会のお知らせ

新中期教育プログラム「イメージ研究の再構築」第3回講演会 UTCPレクチャー 「時間に住む、あるいは廃墟の詩学」 2009年10月2日(金) 16:30–18:00 東京大学駒場キャンパス18号館4階 コラボレーション・ルーム3[地図] 使用言語:フランス語(講演原稿を配…

お知らせ

9月12日に駒場で開催されたジャン=クロード・レーベンシュテイン氏の講演会、「絵画の作法(デコールム)と〈最後の審判〉――ミケランジェロからコルネリウスまで」の報告記事を執筆いたしました。UTCP(東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究…

ベルギー幻想美術館:クノップフからデルヴォー、マグリットまで(Bunkamuraミュージアム) http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_belgium/index.html ゴーギャン展(東京国立近代美術館) http://www.gauguin2009.jp/

お知らせ

岩波書店の『思想』に、拙論が掲載されました。書誌情報は以下の通りです。 小澤京子「建築のヒエログリフ――クロード・ニコラ・ルドゥーによる都市構想」『思想』2009年10月号、50-80ページ. 大量の図版掲載を許可して頂いたことをはじめ、編集担当の方の多…

ノートル=ダム・ド・パリ (ヴィクトル・ユゴー文学館)作者: ヴィクトル・ユゴー出版社/メーカー: 潮出版社発売日: 2000/11/22メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (12件) を見る 【建築の身体・建築の皮膚】 つまり、いままで述べたことを…

ルドゥーに代表される「語る建築(l'Architecture parlante)」を、パースの記号の3分類に当て嵌めてみることはできないだろうかと、ふと考える。建築物の外観が、その用途や性質、住人の身分を直接に物語っている(例えば、「樽職人の仕事場」としての建築…

車窓に映る自分の顔

夜汽車の窓が鏡面と化すというテーマに関して、今までご教示頂いた作品。 ジャック・ターナー『ベルリン特急』 テレンス・デイヴィス『ネオン・バイブル』 クロード・ルルーシュ『男と女』 イングマール・ベルイマン『沈黙』 下のリンクは、映画通の先輩が見…

この詩がナルキッソスの泉から語り起こされていること、そして、この「危険なる鏡」に映った像によって主人公の愛が引き起こされていることを考えあわせてみれば、「像」への愛こそがこの『薔薇物語』の真のライト・モティーフであるように思われてくるだろ…

イベントのお知らせ

「絵画の作法(デコールム)と〈最後の審判〉——ミケランジェロからコルネリウスまで」 講師:ジャン=クロード・レーベンシュテイン(パリ第1大学名誉教授) 司会:三浦篤 (UTCP) 2009年9月12日(土)15:00-17:00 東京大学駒場キャンパス18号館ホール[地図…

「窓ガラス」のテマティックに関連して、お勧め頂いたヒッチコックの『バルカン超特急』を観る。 憶えることと忘れること、視覚的記憶の確かさと聴覚(的記憶)の不確かさや機能不全というテーマが横臥しているように思う。 外国語であるが故に、あるいは周…

お知らせ

10月に開催される美学会第60回全国大会(於東京大学)で研究発表をします。ぜひご来聴ください。 10月11日(日)15:45-16:25(研究発表Ⅲ)@法文一号館113教室 「空間としての書物/建築としての文字――C.N.ルドゥーによる建築書を中心に――」 http://www.l.u-toky…

断片としての身体

Deborah Ann Harter, Bodies in Pieces: Fantastic Narrative and the Poetics of the Fragment, Stanford Univ Press, 1996. http://www.amazon.co.jp/dp/0804725071/

corps morcele

ヒッチコック-シャブロルのラインで思い出したこと。二人とも、フレームによって登場人物の身体を分断するときのやり方が上手いのだ。例えば『見知らぬ乗客』の冒頭での、膝下だけの脚が、駅の雑踏を足早に歩んでいくシーン。「見知らぬ乗客」ブルーノ(と後…

ジャン・コクトーの『オルフェ』(1949年)を観る。ギリシア神話に登場する詩人オルフェウスの冥界巡りを、現代(最初の戯曲執筆時は1926年)を舞台にリライトしたもの。「鏡」がテーマの映画を挙げるならば、必ず言及されるべき作品だろう。此岸と彼岸の境…

夢の中の建築旅行

Francesco Colonna, Hypnerotomachia, The Strife of Love in a Dream, London, 1592, fac. NY & London, Garland Publishing, 1976. フランチェスコ・コロンナによる『ポリフィロの夢』(16世紀に出された英訳版のファクシミリ)。「書物」の上で様々な建築…

もはや「誰の得になるんだ?」という感じだが、気付いてしまったので。 ヴィスコンティ作『地獄に堕ちた勇者ども』での、ナチス高官が自動車から降りるシーン(左の動画の冒頭)が、右のPVの50秒近辺で「引用」されている。肩章付きのベルテッドジャケットに…

ブルジョワの室内と装飾品としての「教養」

音楽史を専門とし現在はフランス留学中の知人から、1920年代のフランスで「ピアノ税」なるものが課されていたことを聞く。奢侈税の一種だったのだろうかとか、この頃から比較的富裕な市民階級にピアノが普及していったのかもしれないなどと考えを巡らせると…

ヒッチコックの『見知らぬ乗客』を観る。自分のような門外漢が論じるまでもないほどの著名作だが、気付いた点をいくつか。 類似のシーンが二度(あるいは複数回)繰り返される。一度目は重要な出来事の伏線として、二度目は単なる無意味なエピソードとして。…

アナクロニズム日記その2

「謎のデザイナー小林かいち」展(ホテルニューオータニ) 今回展示されているのは、全て絵葉書や封筒のグラフィックデザイン。彼の描くテーマは、叙情的で感傷的な少女趣味の世界なのだが、それが「少女同士の親密なコミュニケーション」の媒体に載せられる…

アナクロニズム日記その1

「かたちは、うつる」展(国立西洋美術館) 夏になると西洋美術館で開催される、版画や素描をテーマとした展覧会。その中でも今回の展示は、テーマ設定の仕方がとても新鮮で面白い。版画は原版を紙に「転写」することでイメージを得る技法だが、ここでの「う…

「未完成」としての断片と「フェティシズム」

フェティシズムのようなタイプの精神的プロセスが、詩的言語にもっとも共通の転義のひとつにいかに内在しているかを観察するのは興味深い。提喩(そしてそれに一番近い換喩)がそれである。部分によって実現される全体に換えて、その部分を置くこと(あるい…

leisure and pleasure

左はスタンリー・クレイマー制作、マーロン・ブランド主演の『乱暴者(The Wild Ones)』(1953年)がダイジェスト的に紹介されている映像(ナレーションはフランス語)、右はアメリカを震源地にMTVカルチャーが開花した時代に作られた、Visage「Pleasure Bo…

観相学と探偵術

バルザック論作者: E.R.クルティウス,小竹澄栄出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1990/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見るバルザックにおける神秘主義を説いた著。クルティウスによるこの理解がどこまで妥当性を…

Une saison en enfer

ひょんな切欠から、私の中で勝手に始まったボーイ・ジョージ・レトロスペクティヴ。どうせならこれを契機にこの手の人たちを一気に極めようと、Visage(Steve Strange)、Classix Nouveaux(Sal Solo)、Dead or Alive、Spandau Ballet、Adam and the Ants、…