指紋論 心霊主義から生体認証まで

指紋論 心霊主義から生体認証まで

指紋には「推理」の介入する余地がない、という指摘が特に面白かった。すなわち、足跡や遺留品の衣服という類の「断片的痕跡」は、その「母型」である持ち主(=犯人)の身体の再構成を要請するが(足の大きさからだいたいの身長を算出する、など)、指紋の場合は「同一性」しか問題にならないというのである。