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マウリツィオ・ベッティーニ氏の講演会「ウェルトゥムヌス――多くのアイデンティティをもつローマ神」に赴く。以下はそのメモ。ウェルトゥムヌス(「変化する」が語源) ①神話の登場人物=寓話(fabula) ②彫像 ③神 エトルリア起源であり、ローマに辿り着く。…
発売早々(いや、発売以前から)各所で大反響だった、日本初の本格的なファッション批評誌がついに刊行されました!私もTHEATREPRODUCTSについてのcritical essayを寄稿しております。 fashionista公式サイト:http://fashionista-mag.blogspot.com/ fashion…
『みすず』2012年1・2月合併号読書アンケート特集で、野崎歓先生が拙著『都市の解剖学』を取り上げてくださいました!(47頁)「怪物と廃墟のイメージ群を相手取り、颯爽とくりひろげられる知的探求。おどろおどろしい対象にまみれながら不思議に晴れやかな…
「図書新聞」3047号(1月28日号:1月21日発売)にて、五十嵐太郎先生に拙著『都市の解剖学』(ありな書房、2011年)を評して頂きました。本書の企図と賭金を的確に掬い取り、また著者にとって励みになるお言葉をくださった五十嵐先生に感謝申し上げます。
書物の中の都市/書物としての都市―ルドゥー、サド、ビュトール(先週の続き) ★ナラティヴの空間性と時間性:ヌーヴォー・ロマンとの比較 ヌーヴォー・ロマン(ビュトール)作品:作中の登場人物が都市空間を彷徨・旅行する→語りによって、作中に都市空間が…
第5回:書物の中の都市/書物としての都市―ルドゥー、サド、ビュトール書物について―その形而下学と形而上学作者: 清水徹出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2001/07/25メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (10件) を見る1)視覚に…
第4回:記憶装置(みんなのメモ帳)としての都市空間都市空間に蓄積されていく個人的・集合的記憶/その忘却と想起をめぐる表象の4類型 1.地層に累積した記憶を、イメージとして召還する試み:ピラネージの「古代ローマ」 ※ジョヴァンニ・バッティスタ・ピ…
第3回:異時間都市の考古学――カミッロ、カナレット、ピラネージ 【講義概要・図版情報】 1.記憶の場としての劇場空間と都市 古代の記憶術=場所/イメージと記憶との結合。一連の「文章」を暗記するための手法である→想像内の建築物を「正しい順序で」巡り…
第2回:廃墟の表象史――ノスタルジーとカタストロフィー 【講義の概要・図版情報】 [画像]Yves Marchant & Romain Meffre 《Loew’s Palace Theater, Bridgeport》2000年代後半。 (公式サイト:http://www.marchandmeffre.com/index.html(2011年4月22日閲…
この4月から半期の間、埼玉大学で「ヨーロッパ文化特殊講義」を担当することになった。講義レジュメをウェブ公開することには、それなりのデメリットもあるだろうが(情報に簡単にフリーライドできてしまうため、授業料を支払い真面目に講義に出席している学…
この日は講義シラバスの説明を、数枚の図版とともに行う。【テーマ】 ヨーロッパ近代における「空間」と「身体」の表象史【授業科目の到達目標】 文化的な諸現象・表象に対して、分析的・批評的な視点から考察し、記述することの基礎的な訓練を行う。また、…
祝祭的建築について 一.エフェメラル・アーキテクチャー 本来は永続性を担保された存在である建築物に「瞬間性」を付与する試みは、「廃墟」とはまた異なる形態を採ることもあった。アンシャン・レジーム期から革命祭典に至るまでしきりに造成された、祝祭…
松も明けて、2011年も本格的な稼働が始まった感がある。 2010年は、3回の国際学会発表(ソウル、北京、シェフィールド)、自主企画シンポジウムの成功、学会誌『表象』への論文掲載決定(第5号、3月刊行予定)、単著企画の進行と、未踏の領域に挑戦できた一…
今月(2010年12月)号の『建築雑誌』掲載の田中純氏の論考で、拙論「『古代』が召還されるとき――明治二〇年代の日本におけるギリシア幻想――」(『SITE ZERO/ZERO SITE』創刊0号、メディアデザイン研究所、2006年、278-316ページ)を引用して頂きました。ど…
来年3月に駒場で開催される国際学生カンファレンスで、発表者を募集しております。ぜひご参加ください。トリン・T.ミンハ氏の基調講演もあります。 [発表者募集] UTCP International Graduate Student Conference 2011の発表者を募集します。 下記のとお…
11月13日(土)の表象文化論学会第5回研究発表集会にて、 口頭発表をいたします。タイトルは「書物内の旅──C.-N. ルドゥーの建築書における空間配列と身体性」です。朝9:30からのパネル1、部屋割は当日掲示になると思います。 http://www.repre.org/conve…
遅ればせながら、8月9日から13日にかけて行われた第18回国際美学会の報告を執筆いたしました。 http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2010/09/the-18th-international-congres/写真はこちらに。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/China/北京での5日間を終え、…
8月9日から13日まで北京大学で開催される第18回国際美学会(The 18th International Congress of Aesthetics)で発表を行います。私の発表は、9日14:00-16:00のSection 1F(会場2nd Teaching Bldg. 313)にて、タイトルは「Housui YAMAMOTO's The Return of …
今週末に以下の通り表象文化論学会が開催されます。私も4日のパネル5で口頭発表を行います。ぜひご参加ください。(土曜日と日曜日では会場が異なりますので、ご注意ください。) http://www.repre.org/event/conference/index.html 表象文化論学会第5回大会…
類似は外徴なしには存在しない。[…]相似の知は、これら外徴の摘出と解読にもとづく。[…]外徴の体系は可視的なものと不可視的なものとの関係を逆転させる。類似は、世界の深みにあって物を可視的ならしめていたものの、不可視的形式にほかならなかった。…
いつか見た散り行く花の残像
観測史上最大と言われる降雪に見舞われた、1月のソウル滞在。街角で見かけた光景をアップロードしました。http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/Seoul/ 主に故宮「景福宮」と南大門市場の写真。東京の風景も、少しずつアップしています。http://f.hatena.ne.jp/…
地面や樹皮の下で蠢動する春の謀なのか、細切れの思考ばかりが次々に湧出しては消えてゆく。 たまたま目にした中島敦『山月記』の一節に、頭をはたかれるような衝撃を受けたので、自己の戒めのためにも抜き書いておく。 己の珠に非ざることを惧れるが故に、…
蜂の巣状に連なる幾つもの夢のなかで、歪められた記憶の断片を拾った。 冷たい雨の降る日、神保町と銀座を散策。 古本屋街でポー『盗まれた手紙』(国書刊行会から出ている変型版で、装幀が美しい)、澁澤龍彦『黒魔術の手帳』、ユイスマンス『腐爛の華』、…
平穏な日常にささやかな賭け事を導入する試みとして、最近は「レンタルショップに並んでいるCDジャケットのうち、いちばん気に入ったものを借りてくる」という実験をやっている。ハイリスクに見えて、その実あまり「外した」ことがない。その中でも個人的に…
ジャケットの雰囲気が気に入った、というだけで借りてきたCDのアートワークが本当に気に入ってしまったので、アートディレクターの名前でオンライン検索したら、ご本人のサイトが見つかった。作品アーカイヴも充実している。 http://www.nagato.org/ コラー…
冬の陽光が弱々しく降り注ぐ午後、三菱一号館美術館で、来年初夏のことを打合せ。 煉瓦造りと屋根飾りが目を引くクイーン・アン様式の建物は、本来は19世紀末にジョサイア・コンドルによって設計されたオフィス・ビルだった。1968年に一度取り壊されたものを…
BESETO(北京、ソウル、東京)三都市のネットワークの下開催された国際学会のため、厳寒のソウルへと赴く。観測史上初という積雪に見舞われ、市街地からは雑木林で隔てられたソウル大のキャンパスで、雪と寒さの中に閉じ込められているかのような二日間を過…
今日は大つごもり。新しい年のための抱負をいくつか。 抽象的でまだ形の曖昧な思考を、順を追って論理的に言語化する作業を精錬する。 人との繋がりを大切にする。そのための一手間を愚図らない。 harsh wordsを軽々しく口にしない。結局は自分を貶め、周り…
11月の終わり、紅葉が鮮やかな時期の京都へと赴いた折の写真。 http://f.hatena.ne.jp/baby-alone/Kyoto/ 今回は、銀月アパートメント、駒井家住宅、東華菜館、革島外科病院、喫茶店ソワレ、フランソワなど、洋館建築を中心に訪ね歩いた。銀月アパートメント…