飛び散った破片を強引に縫い合わせて出来た出鱈目な世界

ジャケットの雰囲気が気に入った、というだけで借りてきたCDのアートワークが本当に気に入ってしまったので、アートディレクターの名前でオンライン検索したら、ご本人のサイトが見つかった。作品アーカイヴも充実している。
http://www.nagato.org/
コラージュという技法は昨今とみに流行らしく、とりわけ「girlie」と形容されるトライブ向けのグラフィックデザインに頻出しているけれど(その筆頭はD-BROS辺りだろうか)、この永戸鉄也氏の作品群は、甘やかなノスタルジーとは袂を分かった、形態どうしの不協和音とも言うべきもので(でも、全体として見ると美しい調和がある)、そこが今の自分の感覚にクリティカルヒットした。(こう書くと批判しているようだが、D-BROSのデザインも好きだ。今欲しいのはHotel Butterflyシリーズの、パンジーとマーガレットをあしらった栞。)
CDに収められた音楽自体は、王道派の「ロキノン系」という感じ。ロキノン系って現代日本におけるプレッピーだと思う。趣味いいです、ちょっとだけ《ハズす》感覚も含めて育ち良いです、こういうのを否定する人ってあんまりいないでしょ、みたいな。