2007-01-01から1年間の記事一覧

ホフマン短篇集 (岩波文庫)作者: ホフマン,E.T.A. Hoffmann,池内紀出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1984/09/17メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (20件) を見る

受容としての日本思想研究会 特別企画のお知らせ

○日時:7月8日(日) 13:00開場 13:30開始〜15:30終了予定 ○場所:東京大学駒場キャンパス18号館2F 院生作業室 ・駒場キャンパスマップ ・18号館 ○発表者:木下知威さん(横浜国立大学大学院工学府社会空間システム学博士課程 西沢立衛研究室所属) ○発表…

表象文化論学会

ご来場くださった方々、どうもありがとうございました。矢代論について、ご指摘いただいた点をメモ ・「西洋」と比較することで、むしろ「単一のもの」として現れ出てきてしまう「日本」イメージ ・野上豊一郎ら大正教養主義世代が、1930年代に一斉に「日本…

複製美術館

大塚国際美術館 絵タイルによって、西洋美術史上の「名品」を原寸大で再現しようという試み。色彩などはかなりの再現性を誇るらしいが、写真でもタイルの目地がはっきりと見えるほどで、そのグリッドが強烈に「これは複製である」というメッセージを送ってく…

西洋との対話

和辻哲郎の『イタリア古寺巡礼』(岩波文庫版)で使われている図版の一部が、矢代幸雄の『サンドロ・ボッティチェルリ』からのものだった。もちろん許可は取ってあるのだろうけれど。あとがきで高階秀爾氏も述べているように、和辻のボッティチェッリの分析…

皇国史観をフランス語で言ってみるテスト氏との一夜

un nouveau point de vue historique, appelé Köukoku-Shikan, selon lequel le Japon était considéré comme la nation d’un Empereur à la fois humain et divin

海外留学関連情報(フランスの大学院への登録手続)

フランスでのMaster2(旧制DEA)課程への留学手続きについて、役立つページを見つけました→http://www.sal.tohoku.ac.jp/French/alleretudier/grenoble2.html 東北大の仏文学専攻(グルノーブル第3大DEA留学)の方による体験記で、奨学金取得から出願プロセ…

表象文化論学会第2回大会プログラム

決定いたしました。ぜひご来聴ください。 表象文化論学会第2回大会 2007年6月30日(土)・7月1日(日)@東京大学駒場キャンパス6月30日(土) 18号館ホール 13:00〜13:30 総会(会員のみ) 14:00〜17:00 シンポジウム「拡張するユマニテ、揺動する表象」 ──…

西洋との対話

児島喜久雄(1887―1950):矢代の帝大時代からの友人。レオナルド・ダヴィンチ研究。リップス、マックス・フリートレンダーらドイツ系美学・美術理論を継受。 阿部次郎(1883―1959):ドイツの美学者テオドール・リップスによる「感受移入論」の、日本への紹介…

レオナルド関連シンポジウム

メールマガジンから抜粋。 シンポジウム 「レオナルド・ダ・ヴィンチの世界—各分野から見たその実像」 日時: 5月26日(土曜日) 14:00〜16:45 会場: 恵泉女学園大学 J202教室(大階段教室) 主催: 恵泉女学園大学、平和文化研究所、社会・人文学会/後援:…

西洋との対話

4月28日のエントリーでも触れた矢代幸雄『西洋美術史講話』(1921)では、1925年刊行のSandro Botticelliで用いられることとなる基礎的分析概念が、既に体系的に提示されている。「古典的=南欧=ギリシア思想=自然への志向」と「ゴシック=北方=キリスト…

ヴィンケルマンについて

Eliza Marian Butler (1885-1959): The Tyranny of Greece over Germany ― A study of the influence excercised by Greek art and poetry over Great German writers of the eighteenth, nineteenth and twentieth centuries (1933) 参考になるかならないか…

西洋との対話

加藤哲弘「近代日本における美学と芸術研究」2002年。科研の報告書らしい。 http://homepage2.nifty.com/katotetsu/tk01text.pdf

西洋との対話

三浦藤作『民衆藝術夜話』秀山堂文庫 趣味叢書1、1926年(大正15年) これも書庫でたまたま見つけた一冊。少なくともこの時代から、「民衆芸術」という概念や「民衆教化・社会教育としての芸術教育」という発想のあったことが伺える書。「民衆芸術」のカテゴ…

空所恐怖症(Fear of voids or empty spaces)はKenophobia。 今までずっと「空所恐怖症」の意味で「空間恐怖症」という言葉を使ってきたのだが、インターネット上で調べたところ、精神医学用語としての「空間恐怖(spacephobia)」とは、広場恐怖(agoraphb…

西洋との対話 矢代幸雄関連文献

大正から第二次大戦まで 矢代幸雄『西洋美術史講話 古代篇』(付・図録篇)岩波書店、1921年(欧州留学前に書かれた、東京美術学校講師時代の講義録。ちなみに定価9圓。) 同上「日本の立場より見たる西洋美術」財団法人啓明会第26回公演集、1928年9月 同上「…

西洋との対話

矢代幸雄関連の書籍を見つけようと書庫でカサコソしていたところ、地味に強烈な電波を発する一冊を発見。 東洋美と西洋美の問題、言ひ換へれば東洋趣味と西洋趣味の問題は現代の重要問題の一つであることは誰しも異論のないところであらう。然しこの問題は大…

学芸員の逆襲

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jahs2/bujutsu-hakubutsu-iinkai/07-4-21-simposium-program.pdf 東京都美術館で本日開催された、美術史学会主催のシンポジウム。覗いてみようと思っていたけれど、春の所為で思わしくない体調と、目の前に山積みされた些事に妨げら…

指で視る

ヘルダー『彫塑論』:視覚と触覚の不可分性を説いた芸術論。 『ヘルダー ; ゲーテ』登張正実責任編集、中央公論社、1975年所収(教養図・開架080:Se22:7[W]) ウィリアム・モリヌークスからジョン・ロック宛に、開眼手術を受けた盲人の認識について問う書簡…

指で視る

ロジェ・ド・ピール『絵画原理講義』(1708)の翻訳ゼミで「彩色」の章を担当しているのだが、そこでは「盲人の彫刻家」を巡る、面白いエピソードが紹介されている。彼は大理石像や生きている人間を手で触ることで、その輪郭や凹凸を確かめ、実物にそっくり…

表象文化論学会研究発表大会(2007.6.30−7.1)

研究パネルが決定いたしました。 http://www.repre.org/about/information/index.html 発表者やコメンテーター、司会を応募中のパネルも若干あります。別段統一テーマがあったわけではないのに、日本やアジアの近代を考えるパネルが出揃うという謎。

victorian mourning jewellery

写真左:ロンドン万国博(1851年)を記念した、象牙のブローチ。小さなフォトスタンドになっていて、水晶宮のモノクロ写真が収められている。周囲には勿忘草のレリーフ。微かに水色の絵の具が残っているので、当初は彩色されていたのだろう。 写真中・右:遺…

もうひとつのルネサンス (平凡社ライブラリー)作者: 岡田温司出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2007/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (11件) を見る個人的な関心から、第5章の「ディレッタント登場」と第7章の「アンチ美術…

西洋との対話

今、矢代幸雄のボッティチェリ論の「感覚的(sensuous)ボッティチェリ」という章を読んでいる。率直に言えば、矢代は文章も下手だが、それ以前にあまり論理的・体系的な思考のできる人物ではない。だからこそ、妙な発想が抑圧されないままあちこちに残って…

西洋との対話:矢代幸雄とヴェルフリン

矢代はそのボッティチェリ論(英文初版1925年、邦訳版:吉川逸治・摩寿意善郎監修、高階秀爾他訳、岩波書店、1977年)で、自然模倣の態度を「線的」なものと「色調的」なものとの二項で整理している。(ボッティチェリの絵画は、「線的」模倣に分類されてい…

リサーチアシスタントを務めさせていただいた東京大学21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター(UTCP)」の論集が刊行されました。第9号「言葉とイメージ」に、私も拙論「不可視の過去を可視化すること」(42-58ページ)を寄稿しています。決して会心の…

西洋との対話

西洋美術と日本(東洋)美術の形態的比較が可能となる基盤について、参考になりそうな文章を発見。 ふつう「比較芸術学」と呼ばれるものは、西洋と東洋というような遠隔の地域における特定の芸術ジャンル同士の比較論的考察である。ここでは基本的に発生関係…

日本における西洋美術史/西洋との対話

矢代幸雄の「西洋との対話」を本格的に分析するに当たって、補助線になるかならないか分からないけどひとまず借りてみた書籍。ルネサンス研究 ルネサンスの芸術家 (下村寅太郎著作集)作者: 下村寅太郎出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1989/06メディア: …

ヴィンケルマンが「端緒」とされるギリシア熱の背景について。 ヴィンケルマンが「ギリシア人の精神」を推奨したことは、その当時としては珍しいことだった。最後に彼が住んだローマは、ローマ・カトリックの中世とルネサンスを通じてヨーロッパ文明の起源で…

アロイス・リーグル『近代の記念物崇拝――その性格と起源(Der moderne Denkmalkultus : sein Wesen, seine Entstehung)』(Wien : Braumueller, 1903) 歴史的記念物における「古さ」という価値について。 最新仏訳版:Aloïs Riegl, Le Culte moderne des m…