建築模型という情報伝達メディアは面白い。縮尺を施された現実世界に対応する空間に、自足的に完成された世界が閉じ込められている。とりわけ、窓やドアといった開口部から内側を覗くときがいい。

江戸時代から「名家」として存続していた財閥によるコレクションは、「目利き」としての家長による、「家宝」としての書画骨董という性格が強いのではないかと思った。この辺りは、松方や大原のようなタイプのコレクターとは対照的である。