所蔵作品展 花より工芸(東京国立近代美術館工芸館)

「人形芸術の展開」と題された冒頭の展示室には、吉田良四谷シモンの人形に加え、ハンス・ベルメールによる人形写真まで展示されている。「伝統工芸」の流れに棹差すであろう平田郷陽の布製人形がこの場に展示されていることには納得がいくのだが、ベルメール吉田良四谷シモンが果たして「工芸」なのかは、甚だ疑問である。とりわけ日本における球体関節人形の受容と発展の様相はかなり特殊であろうから、「工芸」か「ハイアート」か、あるいは「商品」か「作品」かという単純な二項対立には回収できないのだろうけれど。