皮膚

未来の自分自身に向けた覚え書き

ノートル=ダム・ド・パリ (ヴィクトル・ユゴー文学館)作者: ヴィクトル・ユゴー出版社/メーカー: 潮出版社発売日: 2000/11/22メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (12件) を見る【建築に刻まれた文字】 五、六年まえのことだが、この物語の…

化粧 (トラヴェルス)作者: 今村仁司,ジャンボードリヤール出版社/メーカー: リブロポート発売日: 1986/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見るこちらの書に収められた、ジャン=クロード・レーベンシュテイン(浜名優…

化粧 (トラヴェルス)作者: 今村仁司,ジャンボードリヤール出版社/メーカー: リブロポート発売日: 1986/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見るアドルフ・ロース「装飾と犯罪」(山田登世子訳)をはじめ、絵画の本質を…

死化粧師オロスコ [DVD]出版社/メーカー: アップリンク発売日: 2008/03/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 54回この商品を含むブログ (7件) を見る剥がれた顔の皮膚が頭蓋骨に綺麗に貼り付く、という場面があると知ってから、この作品を観たいという欲望か…

ここ暫くは、明晰な論理と実証が要求される世界の外側で、指先を通して微かに肌理の凹凸が伝わる皮膚の手触り、口を開けた傷の切断面、そこからどろりと流れ出す赤黒い形の無いもの、そういった何かを掬い上げる文章を書いている。三島が自決したときに、散…

ブラザー・サン シスター・ムーン [DVD]出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン発売日: 2006/11/02メディア: DVD購入: 4人 クリック: 33回この商品を含むブログ (29件) を見るフランコ・ゼフィレッリ監督の『ブラザーサン・シ…

都市と建築の解剖学

パリ―都市の記憶を探る (ちくま新書)作者: 石井洋二郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1997/08メディア: 新書購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る石井洋二郎氏の著作『パリ――都市の記憶を探る――』に、「都市の解剖学」という自分自…

strange eyesその後

相変わらず似たような展開ですが、「瞳の色を変える(美的動機によって)」という行為について、参考になりそうな文献をご教示頂きました。(なお、カラーコンタクトについての直接の言及はないそうです。) Collectif, Coloris Corpus, CNRS, 2008. http://…

日焼けの文化史

こちらも先輩に教えて頂いたもの。2008年に2冊も刊行されているということは、最近の文化史研究で流行のテーマなのだろうか? http://www.amazon.fr/dp/2804801454 Pascal Ory, L'invention du bronzage : Essai d'une histoire culturelle, Editions Comple…

物質と肉体性

ルーヴルでヤンペイミンの描くモナリザを見て、ふと考えたこと。絵画における物質(つまり絵の具)は、人間の「肉(chair)」に近いのではないだろうか。滴り落ちる絵の具が、血や汗を喚起する。右端の写真は、オルセー美術館に所蔵されているHenri Regnault《…

聴覚と触覚

それらの話や会話は、耳の聴覚で聞くよりは、何かの或る柔らかゐ触覚で、手触りに意味を探るといふやふな趣きだつた。とりわけ女の人の声には、どこか皮膚の表面を撫でるやうな、甘美でうつとりとした魅力があつた。すべての物象と人物とが、影のやうに往来…

人文学だの教養だのの「衰退」や「死」は、(ときには大袈裟なまでに)喧伝されているけれど、自分が思うのはモードも死につつあるのではないかということ。前衛という言葉は疾うに風化しても、分かりやすくアヴァンギャルドなもの、小難しい思考によって語…

装飾への眼差し

ひるがえって、ロココの室内壁面には、場面も空間も存在しない。そこではすべては建築的な壁面の分節の従った「装飾」と化してしまっているからである。(岡崎乾二郎『ルネサンス 経験の条件』筑摩書房、2001、12頁) c.f.ゴンブリッチ『手段と目的』平凡社、