2009-01-01から1日間の記事一覧

思考の屑篭

建築の起源について 建築の根源ないし原理を、ヴィドラーは「ソロモンの神殿」と「アダムの家」の二項に大別している。すなわち、神の力による建造物という象徴的・フリーメイソン的な発想と、自然の力に基づく原始の小屋という唯物論的な思考の二種である。…

「思春期」という文化現象

そして繃帯と言えば、華宵の描く少年や少女の中には、手足や指などに純白の繃帯を巻いたのがよくあった。母などに訊くと、大正から昭和のはじめにかけて若い男女の間に、傷もないのに指に繃帯を巻きつけるのが流行ったという。その当時の華宵人気を物語る、…

聴覚と触覚

それらの話や会話は、耳の聴覚で聞くよりは、何かの或る柔らかゐ触覚で、手触りに意味を探るといふやふな趣きだつた。とりわけ女の人の声には、どこか皮膚の表面を撫でるやうな、甘美でうつとりとした魅力があつた。すべての物象と人物とが、影のやうに往来…

いろいろな断片。