化粧 (トラヴェルス)

化粧 (トラヴェルス)

アドルフ・ロース「装飾と犯罪」(山田登世子訳)をはじめ、絵画の本質を「化粧」に見て取るジャン=クロード・レーベンシュテイン「ビューティー・パーラーにて」、自我と皮膚とその上に重ねられる被覆(化粧、衣服)との関係を扱ったバルディヌ・サン=ジロン「〈私〉と〈私〉の外皮」など、絵画や建築における「化粧」のメタファーを扱った論考も多数収められている。四半世紀前に刊行された翻訳アンソロジーだが、個人的には刺激を受けるところが大きかった。
黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九篇 (岩波文庫)

黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九篇 (岩波文庫)

「アッシャー家の崩壊」を収める。建築の不定形な物質への回帰と、その徴候としての壁の亀裂。アッシャーとその妹マデリン姫の間には、ポーお得意の鏡像的な相似関係が存在している。

辻潤『螺旋道』新時代社、1929年。

Edgar Allan Poeによる論考「Philosophy of furniture(邦題:家具の哲理)」が収められている。ポーにとっての装飾とは、すなわち建築の表層を水平に伸びていくアラベスクである。

廃墟論

廃墟論