2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

挿図入り書籍の発展史

西村清和『イメージの修辞学――ことばと形象の交叉』三元社、2009年、第8章に概略史が記されている。もっともルネサンス期の聖書と、シェイクスピア以降のいわゆる「近代小説」や戯曲集が議論の中心。建築書や考古学関連の書籍(実際には、特定の地方ーーエジ…

政治の美学―権力と表象作者: 田中純出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2008/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 44回この商品を含むブログ (26件) を見る・ムッソリーニ政権下のプロパガンダとして、「イタリア的」な「国民的英雄」の称揚が進…

ヴァラッロのサクロ・モンテ

聖書に記述された「聖なる場」を日常の現実空間において再現・再体験する試みが、15〜16世紀には盛んとなった。(この辺りの話は、フリブールで行われたワークショップでの、最初の発表者も触れていたような。枕にあった、バナナの横断面に磔刑のキリストの…

今日は写真美術館で開催中の恵比寿映像祭「映像のフィジカル」へ。 水蒸気で曇った窓越しの光景を映すヴァルメルダム《イン・ザ・ディスタンス》、高速で切り替わるモンタージュの、残像が構図と主題によって次の映像と連動していくルーフ《すばしこい茶色の…

映画的経験としての列車からの眺め

そのとき窓ガラスの枠のなかにあらわれた黒い小さな林の上に、えぐられたようにくぼんだ雲が見えた。やわらかいうぶ毛を思わせるその雲のバラ色の部分は、そこに固定され、生命を失って、まるでそれを吸収した鳥の翼の羽毛を彩るバラ色か、あるいは画家の風…

文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論 (流動する人文学)作者: 郷原佳以出版社/メーカー: 左右社発売日: 2011/03/03メディア: 単行本 クリック: 29回この商品を含むブログ (10件) を見る

『みすず』2012年1・2月合併号読書アンケート特集で、野崎歓先生が拙著『都市の解剖学』を取り上げてくださいました!(47頁)「怪物と廃墟のイメージ群を相手取り、颯爽とくりひろげられる知的探求。おどろおどろしい対象にまみれながら不思議に晴れやかな…