国立新美術館の「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」展内覧会へ。
https://www.nact.jp/exhibition_special/2019/gendai2019/

邦題にある「文学」より、英題「Image Narratives」の「ナラティヴ」、あるいは子供向けミニガイドにある「物語」という語の方が、展示内容からするとしっくりくる。
インスタレーションや映像と、音声による語りを組み合わせた田村友一郎、ミヤギフトシ。ウランとオリンピックと戦争と若い女性たちの物語を、写真、ドローイング、オブジェ、そしてテクストで展開する小林エリカ木版画や棚、グラフという約定をずらして提示する豊島康子。辺野古基地建設のための土砂採掘に揺れる沖縄の二つの家族を、短編映画にした山城知佳子。体制崩壊前のソ連と東欧、それから2010年以降の日本の、いわばテラン・ヴァーグ的(?)な場所の写真を並べた北島敬三。作品のメディウムも「語り」のあり方も様々だが、そこから立ち上がる「物語」を鑑賞者個々人が捉える、そういう愉しみ方のできる展示企画だった。