建築の皮膚と衣裳をめぐって

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衣裳と建築の共振性を、同時代の建築とファッションの動向から論じた書。ヴァーグナー、ロース、ル・コルビュジエらは当然のように登場する。
一部分(Deep Skin)のみ邦訳が『10+1』のバックナンバーに収録されているらしい。http://db.10plus1.jp/backnumber/article/articleid/343/(現在オンライン版は非公開)

ホワイトウォールは「タブラ・ラサ」なのか、装飾を去勢された「ハゲ平面」なのか、それとも白粉の層を貼付けた「白塗りの顔」なのか。同じ「白いプレインな平面」であっても、建築家によってその意味作用は異なるというのが解に思える。例えばホワイトキューブと称される近代的ミュージアムの白壁は、タブラ・ラサ性が期待されているはずだ。

伽藍が白かったとき (岩波文庫)

伽藍が白かったとき (岩波文庫)

私は物のを信ずる、女性のを信ずるように。
(上掲書、40ページ、太字は原文ママ

c.f. 森山学「衛生を建築する──近代的衛生者としてのル・コルビュジエ」『10+1』 No.10 (ル・コルビュジエを発見する) pp.181-190掲載。
http://db.10plus1.jp/backnumber/article/articleid/349/
(皮膚というよりも「身体の管理」というビオポリティーク的な観点からの論考)