ラファエッロと古代ローマの復興

教皇レオ10世に当てたラファエッロの書簡の邦訳と、その背景的事実についての詳細なコメンタリー。この時代に教皇権が古代ローマ帝国を「復活」させようとしたことの政治的な意味合いについては、ほとんど触れられていない。古代ローマと一口に言っても、異教時代とキリスト教時代とがあるわけで、具体的にどの皇帝の時代が規範化されていたのかに注意を払う必要がある。