(他の者たちは図書館と呼んでいるが)宇宙は、真ん中の大きな換気孔があり、きわめて低い手すりで囲まれた、不定数の、おそらく無限数の六角形の回廊で成り立っている。[…]ホールに一枚の鏡がかかっていて、ものの姿を忠実に複写している。この鏡を見て人間たちは、よく、図書館は無限大ではないかと推論する(実際にそうだとすれば、この幻の複写は、いったい何のためなのか?)。わたしはむしろ、その磨かれた表面こそは無限をかたどり、約束するものだと夢想したい……。光は、ランプという名前を持っている球形の果実から来る。各六角形に二個ずつ、横に並んでいる。それらが発する光は不十分だが消えることがない。
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