ディジョン建築探訪

昨年の秋から、MJC(maison des jeunes et de la culture,英語で言うyouth club)の日本語教室でアシスタントをやらせて貰っている。その教室のOBである大学生が中心となって、日本語の自主勉強会を週1回開いているという。その会場となっているアパルトマンが、伝統的な様式の残るとても古い物だという話を聞いたので、勉強会のオブザーバー(?)も兼ねてお邪魔し、写真を撮らせて頂いた。
  
18世紀に建てられたというアパルトマンの、台所(左)と居間(右)。このスタイルの天井は、plafond à la française(フランス式天井)と呼ばれているのだそう。日本の格天井の、格子(格間)の間隔を引き延ばした形態にも見える。


1614年に建てられたHôtel Vogüé(現在は市民ギャラリーとして使われている)も、同じ形式の天井をもつ。構造は同じでも、こちらは鮮やかな彩色や豊饒な装飾が施されて、いかにも貴族の奢侈趣味といった風情。アパルトマンの無骨な梁が、ノスタルジックな田舎家風の雰囲気を醸しているのとは対照的だ。


旧市街の目抜き通りRue de la Libertéにあるマクドナルドも、2階の天井はplafond à la françaiseになっている。落ち着いた造作と静かな店内は、BGMが爆音で掛かり、アフォーダンスに逆行する硬いビニールの椅子が並んでいる日本のマクドナルドとは対照的。客の回転率を上げることを、あまり考慮していないのかもしれない。マクドナルドの店舗の内装は、地域によっても異なっているようで、ディジョンリベルテ通り店ではブラウンを基調とした調度だけれど、パリのボンヌ・ヌーヴェル駅傍の店舗は、確か椅子がパープルだった。旅先でマクドナルドの店内の写真を取り溜めていったら、国や場所柄との関連が分かって面白いかもしれない。