Musée de l'histoire naturelle


鳥類の剥製が並ぶ展示室。この部屋だけ、昔ながらのガラスケースが使われている。

鳥の特徴的な嘴の形態と用途を、類似の道具(魚籠、ピンセット、杓子など)と共に展示したもの。

monstre(奇形)の標本。シャム双生児の剥製。この上の棚には、尻からも脚の生えた鶏の剥製が置かれていた。

なぜかエジプトのミイラもここに展示されている。猿と人間のもの。

蝶たちの乱舞。


  • 解剖学講義

パリのパサージュ・ヴェルドー(Passage Verdeau)にあるCabinet des curieux(好事家の陳列棚)という名の骨董・古美術屋で見つけた、解剖学の書籍。ページが所々切り取られたり抜け落ちたりしていて、刊行年は不明。巻末に付けられた蛇腹折の図版の裏には、妙に上手な似顔絵が描かれていた。





  • パリの自然史博物館。比較解剖学・古生物学館(Galeries d'anatomie comparée et de paléontologie)と生命進化大展示室(Grande galerie de l'évolution)の様子。


Galeries d'anatomie comparée et de paléontologieの外観。フレデリック・デュテール(Frédéric Dutert)設計。1900年の万国博覧会のために建造され、1898年から一般公開が開始されたとパンフレットにある。

入り口に置かれた彫刻。『モルグ街の殺人』よろしく人間を絞め殺すオランウータンの像。ラオコーン群像のように苦悶に捩じれた肉体の傍らには小さな蝸牛がいて、一切の暴力沙汰を傍観している。

ほ乳類たちの骨格標本の行列と、その先頭に置かれた人間の解剖学標本。動物たちの群列を率いているかのような勇壮なポーズと、表皮を剥ぎ取られた後の無惨さとの落差がなんだか滑稽。生物は分類ごとに並べられていて、種ごとの類似点や微妙な相違点を比較できるようになっている。

古代生物たちの骨格標本。巨大。

こちらはGrande galerie de l'évolutionの内観。鉄とガラスで出来ている。

アフリカに暮らす動物たちが大行列をなしている。回廊式の上階の中央は吹き抜けになっていて、この進化の大行列が見下ろせる。

Réconcilier l'homme et la nature?と問う説明パネルの付された展示。人類と自然界との共存可能性を問うもの。19世紀的な分類学に基づいた大時代的な展示がある一方で、このような現代的な問題意識を反映した、教育的なコーナーも設けられている。

現代の核家族家庭から1週間の内に出るゴミを、アクリル樹脂で固めたもの。この隣には、中世の修道院跡から発掘された、ゴミ捨て場の出土品が並べられている。人間の出すゴミの廃棄物の量がいかに増えたかを実感させるための企画なのだが、ありふれた家庭用品のパッケージが透明の樹脂の中に閉じ込められている様は、なんだかシミュレーショニズムの作品のようで、剥製ばかりの展示の中で異質な雰囲気だった。