お知らせ

北仲スクール(横浜文化創造都市スクール)公開講座[第一期]
サブカルニッポンのアーキテクチャ
いまや都市文化の重要な一角を占めるほどに拡大増殖中のサブカルチャーだが、定義は依然として曖昧で、「カワイイ」「クール」「ヤンキー」「オタク」と雑多で相互に矛盾する形容詞が無秩序にひしめきあっている。公開講座では、こうした雑居ビル的景観をひとつの「アーキテクチャ」として、内側と外側から複眼的に眺め、その社会的構築物としての強度を探る。
費用:無料(予約の必要はありません)
会場:ヨコハマ・クリエイティヴシティ・センター(YCC) 3Fスペース
(〒231-8315 横浜市中区本町6-50-1)みなとみらい線馬車道駅」1b出口すぐ/JR・市営地下鉄「桜木町駅」徒歩5分/JR・市営地下鉄「関内駅徒歩7分
主催/問い合わせ先:北仲スクール(横浜文化創造都市スクール)※
Tel: 045-263-9075; Fax: 045-2623-9076 Email: info@kitanaka-shool.net
@北仲ブリック(旧帝蚕倉庫本社ビル)(〒231-8315 横浜市中区北仲通5-57-2)
企画責任:清田友則+榑沼範久
企画協力:杉浦由美子
企画スタッフ:今田祐介+星野好晃+森原早苗
日程:
2009年
11月07日(土)16-18時 濱野智史「ニッポン・ネット・カルチャーの生態系―― 島宇宙化と動物化の時代の果て」
11月25日(水)19-21時 速水健朗ケータイ小説的郊外」
12月16日(水)19-21時 杉浦由美子「イケメンは好き?それとも怖い? 腐女子VSリア充 コンテンツと歴史における男性観の変容」
2010年
01月20日(水)19-21時 荏開津広「グラフィティ〜ストリート・アート」
02月01日(月)19-21時 五十嵐太郎「ヤンキー文化、ヤンキー建築」
02月17日(水)19-21時 倉科典仁×杉浦由美子「モテとホストと地方都市」(仮)
講師紹介:
濱野智史(はまの さとし): 著書『アーキテクチャの生態系』。日本技芸研究員。
杉浦由美子(すぎうら ゆみこ): 著書『オタク女子研究 腐女子思想大系』など。ライター。
速水健朗(はやみず けんろう):著書『ケータイ小説的。』など。ライター。
荏開津広(えがいつ ひろし): 著書『人々の音楽について One Hand Crappin'』。東京芸術大学多摩美術大学非常勤講師。ライター/DJ。
五十嵐太郎(いがらし たろう): 編著『ヤンキー文化論序説』、著書『新編・新宗教と巨大建築』など。東北大学大学院准教授。
倉科典仁(くらしな のりひと):『MEN'S KNUCKLE』編集長。
※北仲スクール(横浜文化創造都市スクール):
横浜国立大学(代表校)・東京芸術大学神奈川大学関東学院大学東海大学京都精華大学の七大学によるサテライトスクール。「横浜文化創造都市スクールを核とした都市デザイン/都市文化の担い手事業」(文部科学省「平成21年度大学教育のための戦略的大学連携支援プログラム」採択)。「北仲ブリック」(1926年竣工の旧帝蚕倉庫本社ビル)内に設置(馬車道駅2出口すぐ)。2010年4月から正規授業開始。
横浜国立大学の榑沼範久准教授の指導学生たちと共同の公開講座です。

しかし、今は「大学教育のための戦略的大学連携支援プログラム」なんて資金援助プログラムがあるのですね。一定の予算を大学全体に付与する代わりに、「優秀な」研究プロジェクトに資金投下するという文科省の既定方針、まさしく「聖マタイ効果」(富める者はますます富み、奪われる者はますます奪われる)だと、最近とみに実感する。理論的にはとうの昔から指摘されていたことですけれどね。傑出した研究をエンカレッジするという名目の下、現実には予算のパイを縮小するという意図で行われているところが、不況下で打ち出され、そして多くの企業で機能不全に陥ったという「実績主義」と同じ匂いがする。フランスでも昨年、類似の(いわばネオリベラリズム的選良主義/切り捨て主義の)大学政策が打ち出され、あちこちでストやデモが行われていたことを思い出す。(ディジョンの大学校舎も、数ヶ月間閉鎖状態で、一時は進級試験や論文口頭審査が無事に開催できるかも危ぶまれていたくらいだ。)政府と利害が対立したときに「国民」の採る態度や行動が、フランスと日本では随分と違うということを、実感した出来事だった。そもそも多くの日本人が(そう、私も含めて)、自分が政府と対立関係・緊張関係に置かれているという認識自体を、持つことがないのではないだろうか。本来、政府の法案に反対の意思表示をすべきときに、例えば法案の直接の利害関係者である在日外国人や生活保護受給者へのバッシングをインターネット上で始めてしまうようなメンタリティは、(現代の)日本人がフランス人と最も異なっている部分だろうなと思う。(それ以外の国については知らないので、日本人が特殊だとも即断できないのだけれど。)
話があまりにもズレたけれど、ハイカルチャーとしての「建築物」ではなく、日常の通俗的な生活空間の中に存在する「建物(群)」を、今私たちのすぐそばにある事例から読み解いていくこの連続講座、面白そうです。『MEN'S KNUCKLE』って、「ガイヤがオレを呼んでいる」というキャッチコピーで、対象とするファッショントライブ以外の人々をも瞠目させた雑誌ですよね、確か。