絵画術の書

以前のエントリーで触れたルネサンス期の画家でジョットの曾孫弟子でもあるチェンニーノ・チェンニーニによる技法書Il Libro dell'arte、今いろいろと調べ直してみたら、邦訳も2冊ほど出ているようだ。

  • 中村彝・藤井久栄訳『藝術の書: 絵画技法論』中央公論美術出版、1964年
  • 辻茂編訳、石原靖夫・望月一史訳、『絵画術の書』、岩波書店、1991年

http://www.amazon.co.jp/dp/4000003372/


この著作やチェンニーニの生涯について紹介されているページもいくつか。


描く対象の肌色によって、テンペラに使う卵の種類を変えることを説くなど、絵画技法史上重要な書という堅苦しい位置づけから離れて読んでも、なんだか面白そうな一冊である。チェンニーニによれば、若者の白い肌は都会育ちの雌鶏の卵黄、老人や日焼けした者の肌は農場や田舎の雌鶏の卵黄が適しているらしい。