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ゴールデン・ウィークもそろそろ終わりが見え始めた頃、アーツ千代田で開催中のシド・ミード展に行ってきた。
https://sydmead.skyfall.me
そのうち(いつ?)書こうと思っているのが、日本の1980年代サブカルチャーにおける廃墟モティーフの話なので、映画『ブレードランナー』の美術をはじめ、「サイバーパンク」ブームの牽引者だったミードにも触れておこうかと。
会場にはARを利用した展示の仕掛けもあり。すべて手書きと手塗りによるハイパーリアリズムの画力がまずは凄まじく(若描きとその20-30年後の作品を並べても、画風も技法もほとんど変わっていないのも凄い)、また「そうそう、私が物心ついたくらいの頃の「未来のイメージ」って、こんな感じだったよね」というノスタルジアもあって、さほどミードについて予備知識がなくても楽しめた。
明暗のコントラストが強く、宇宙空間とも朝焼けとも夕焼けともつかない不思議な色合いの空の表現も、1980年代的というか、ハイパーリアリズムと合わせて、ラッセンにも通じるものがあるように見える。
会場には随分と若い人が多いと思ったら、ミードは「∀ガンダム」のメカニック・デザインも手掛けていたと知る。(照明落下事故がニュースになった六本木のディスコ「トゥーリア」は、シド・ミードによるインテリア・デザインが売りだったらしい、というトリヴィアルな知識はあっても、彼が日本の90年代アニメに関わっていたことは知らなかった。)
肝心の「1980年代のサイバーパンクブーム」については、実はさほど収穫がなかったのだが、こういうメカニック・マニアの世界には普段あまり触れる機会がないこともあり、新鮮で面白かった。