最終日の三連休は混みそうなので、金曜日の内に国立西洋美術館ル・コルビュジエ展へ。画家としてのル・コルビュジエの造形がじっくり見られる展示。「ル・コルビュジエ以前のル・コルビュジエ」とでも言おうか。

彼らの絵はピカソやレジェによく似ていると思っていたけれど、キュビスムとは違い、対象物の輪郭線や基軸線を一致させるのがル・コルビュジエとオザンファンの「ピュリスム」であるらしい、ということを学ぶ。

展示会場では、クセナキスが自ら作曲した楽曲と同じ双曲放物線構造を反映した、フィリップス・パヴィリオンで上映されたという、『電子の詩』の上映も。映像はル・コルビュジエ、音楽はエドガー・ヴァレーズ。作品を構成する重要なエレメントに共通性がある、というほどではないけれど、『電子の詩』はどことなくゴダールの『映画史』を連想させる。原始の仮面と鳥の眼の形態的類似性に基づいたモンタージュ、第二次大戦中のものと思しき塹壕に横たわる屍体の写真の後に写し出される天使の彫像など。

また、書物の視覚性・空間性という点に注目している私にとっては、ル・コルビュジエの従兄ルイ・ステール(Louis Soutter)がル・コルビュジエによる書籍『住宅と宮殿』の余白を埋め尽くすように描いた緻密なペン画が、とても面白かった。カント=デリダ的なパレルゴンの問題系とも繋がりそう。

このルイ・ステールに関しては、2012年にパリでル・コルビュジエ財団による展覧会が開催されたらしく、オンライン検索するだけでもかなりの情報と作品画像が出てくる。
Wikipédia(仏語版):http://fr.wikipedia.org/wiki/Louis_Soutter
Google images:http://bit.ly/1aUS3jr