幼年期

ところで、恢復期というのは幼年期への回帰のようなものだ。恢復期の人間は、子供と同じように、事物に対して、一見きわめて卑近な事物に対してさえ、生き生きと興味を感ずる能力を、最高度にそなえている。[…]子供はすべてを新しさ[太字部分は原文では傍点]のうちに見る。子供はいつも酔っている。色彩や形態[ルビ:フォルム]をむさぼり吸い込む子供の歓びほど、いわゆる霊感に似たものはない。
ボードレール、上掲書、161ページ。)