Meilleurs vœux 2017

明けましておめでとうございます。
旧年中に、私を信頼して共同作業へと引き入れてくださった方々、相談事や愚痴に耳を傾けてくださった方々、その他もろもろの支えを頂いた方々、ありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


今年の7月末までには、博士論文を基にした単著『ユートピア都市の書法:クロード=ニコラ・ルドゥの建築思想』を法政大学出版局より上梓する予定です。(助成金の都合上、それ以上の猶予がありません……)


「境界無き(border free)」や「周縁的(marginal)」などと称される種類の高等教育機関に身を置いていると、現在の日本社会で急激に顕在化しつつある種々の機能不全が、より凝縮した形で押し寄せてくるのを目の当たりにします。それは同時に、自らの非力さを思い知らされる日々でもあります。だからこそ、自分に出来る範囲のことは、守り抜くし戦い抜く。単著はそのひとつです。勤務先が、学知の砂漠どころかアカデミズムのクレマトリウムと化しつつある中で、精緻で誠実なテクストを世に出すことは、「知的亡命のためのパスポート」にもなるはずだと信じています。