怪物と化す装飾

J.F.ブロンデルは「怪物のごとき作品」を生ぜしめるとして、「従来の様式と古代、ゴシックと当世風、重厚なものと繊細なものとを無理に組み合わせた」装飾意匠を糾弾する。カトルメール・ド・カンシーもまた、ルドゥーによるパリの徴税市門のにおける、過剰で異種混淆的な装飾の「野蛮な結合」を、「怪物的」として批判している。「怪物」という訳語はともに、白井秀和氏の邦訳によるものだが、当時の自然史での用法なども考えると、むしろ「畸形」と言った方が正確かもしれない。

写真は、ディジョンの自然史博物館に陳列されているmonstres。