Imaginaire érotique au Japon

編集画面で表示される「リンク先」を見たら、「蛸(タコ)に犯され」という衝撃のフレーズで検索した上でのアクセスが計4件も。「なんでこんな検索語句を思いついたんだ?」と訝しみ、実際にGoogleで調べてみたら、「大蛸に犯される女性」というのは、少なくとも江戸時代からあるモチーフらしいのだ。葛飾北斎の手による、『喜能會之故眞通』半紙本の挿絵がそれ。(「北斎 蛸」でGoogleイメージ検索すれば、画像が数多出てくる。)
よくよく『L'imaginaire érotique au Japon』を見返してみたら、この北斎の版画もきちんと掲載されていた。他に紹介されているのは、上田風子、森口裕二ら幻想絵画寄りのイラストレーションから、局部にチューブを繋がれた少女たちを写した村田兼一の写真、さらには作家名が前面に出て来ないような成人向けビデオやゲームのジャケットまで。「蛸に犯される女」という奇妙で異常なモチーフが、メディアや文脈を変えつつも生き残り、間歇的に現れ出てくることに、妙な感動を覚える。
ところで『L'imaginaire érotique……』の著者であるAgnès Giard女史は、『SMスナイパー』の現地通信員を6年間も務めていた経歴があるそうだ。「知る人ぞ知る」日本のアーティストに造詣が深いのも、そのためかもしれない。