私のためのメモ:ユートピア都市の性愛

・性愛:『愛の新世界』(執筆から約150年後の1967年公刊、シモーヌ・ドゥヴー=オレスキエヴィッチ校訂)→本能の解放を肯定
c.f.従来の「ユートピア」構想:性愛とは厳格な倫理の下に厳密に管理されるべきもの。結婚・再生産と直結した性愛のみを肯定。
c.f. トマス・モア『ユートピア』:結婚前の男女の身体検査、婚外交渉の禁止
  カンパネッラ『太陽の都』:同性愛や女性の装飾の禁止、性交の規律化、優性思想
  メルシエ『二四四〇年』:一夫一妻制の提唱、女性の役割を出産・育児に限定
←→南洋諸島(esp.タヒチ)の性風俗を描く旅行記やフィクションの流行
c.f. ディドロ『ブーガンヴィル航海記補遺』:ポリガミーや近親相姦をも肯定する「タヒチ人の慣習」を賞賛
  レティフ・ド・ラ・ブルトンヌ:暴力的かつ圧倒的な力としての性愛
  サド:アンチヒューマニズムの暴力性・嗜虐性(啓蒙主義思想を逆照射)
フーリエは恋愛を社会的連帯の原動力になると捉える。性的な諸制約からの解放を目指す。セクシュアリティの多様性の認識と肯定、女性の解放、性の「最低保障」。性的志向を服につけた記章で表す。「恋愛法廷」(裁判長は性愛に精通した年配の女性)と「恋愛法典」。「調和の狂宴」=共同体の公的にオーガナイズされた行事……社会制度の一環としての「性愛」。既存の社会的制度・慣習のパロディ?
透明で開放的な性的関係=排他的で個人的な恋愛関係を排除
・『愛の新世界』の舞台:古代ギリシアのクニドス植民地(小アジア)=西欧の外部に置かれる