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群馬県立近代美術館で開催中の「破壊された都市の肖像――ゲルニカ、ロッテルダム、東京…」展へ。展示されているのは、戦争で破壊された都市や人間を表す、もしくは連想させる作品群。ピカソ、ミロ、ヴォルス、福沢一郎、ザッキン、マッタ、瀧口修造、川俣正、井上有一など。井上有一の書は、東京大空襲についての記録や七言絶句なのだが、ところどころを墨で消しつつ殴り書いた縦書きの筆跡が、雨のように降ってくる焼夷弾を連想させる。七言絶句《東京大空襲》は、天井から吊る下がった書の間を歩きながら鑑賞するようになっており、その空間性がいっそう顕著である。
小規模ながら、パネルの説明なども丁寧で、真摯に緻密に構成された展示だった。ただし、この展示を通覧すれば「戦争の表象」という問題について概観できる、という性質のものではないので、既にこのテーマをある程度考えてきた者か、あるいは問いの入り口となる「何か」が欲しい人向けだろうと思う。