シュヴァンクマイエルの『オテサーネク』を観た。汚物というか、アブジェクシオンみたいなものにしか見えない食物の写し方が秀逸。食べ物のはずなのに、なんかもう吐瀉物とか糞便とか精液みたいなのだ。食欲が悪魔的に肥大化した切り株赤ちゃんオテサーネクの傍らで、女の子やお父さんはすごく不味そうに、何かの苦行のように、どろどろの物体を食べている。(シュヴァンクマイエルって、粘土とか泥とか流動状の食べ物とか、不定形で気持ち悪いドロドロが好きだよな。)型に嵌った精神分析的解釈もできそうな内容だけれど、それは差し置いて、食べることへの矛盾したオブセッションが凄まじい。