ディジョン建築探訪

FRACのギャラリーに行く途中で、顔貌と人体と多種多様な装飾パターンがファサードに蝟集した、なんとも不思議な家を見つけた。1881年に建てられたらしきこの家には、現在も二人の住人の表札が掛かっている。脇に廻ってみると、そこには平凡な石造りの壁。どうやら日本で言うところの「看板建築」方式で建てられているらしい。旧市街地には、窓枠や飾り柱に人体柱(カリアティッド)の並ぶMaison des Cariatidesや、葡萄の実が成るように花綱飾りがぶら下がるMaison Maillard(いずれもルネサンス時代の建造)があるけれど、この不思議な館のパラノイアめいた過剰装飾にははるかに及ばない。誰がどんな意図で建てた邸館なのか、好奇心をそそられる。
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下の写真の左がMaison des Cariatides、右がMaison Maillard。