読了本
- 作者: 上野俊哉,毛利嘉孝
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/09/01
- メディア: 新書
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この書の大意からはだいぶ逸れるが、イギリスでの多文化主義・反人種主義教育の結果について述べた下り――「多文化主義であれ反人種主義であれ、そうした教育を受けた生徒たちが、そこに学校の権威主義を嗅ぎとり、教育の結果ますます人種差別的になるという皮肉な報告までなされるようになった」(149頁)――には、ああやっぱり、と思った。近年指摘されている若者の右傾化の要因には、多少なりとも「学校教育」や「教員」、つまり日常的な権威に対する反発と、一種の幻想暴きの快楽(今までの教科書や教育は実は間違っていたんだよ、真実はコレなんだよ、と提示されることに対する感動)があるのではないかという印象を持っていたので。
「教育」は、常に順接的に受容されるとは限らないから、難しいと思う。