読了本

いま、哲学とはなにか (UTCP叢書 (1))

いま、哲学とはなにか (UTCP叢書 (1))

個々の論考はもちろん面白いのだが、敢えて突き放せば、極めて狭い意味での「哲学研究者」が自己保身と自己弁護を図っている書とも言いうる。哲学に限らず人文系の諸分野で、「終焉?」「閉塞」「現在」「これから」などの言葉を冠したシンポジウムや論考集をよく目にするけれど、結局のところ「周囲の状況は厳しいけれど、私たちのやっていることは必要性・必然性がある」という、予め設定されている結論を、閉じられた共同体内で確認して終っているだけなのではないだろうか。

追記)講演「経済人から見た文学部」立教大学文学部百周年記念事業の一環だそうだ。コンセプトとしては、面白い企画だと思う。(実際には、双方の話が噛み合わないまま終りそうな気もするけれど。)