絵画の細部から

ラファエロ『フォリーニョの聖母(Madonna di Foligno)』1511〓12年,板(現在はカンヴァス)・油彩,320×194cm,ヴァティカーノ絵画館.
→中央のプットーの持つ、何も書かれないマーブル模様の銘版(寄進者の誓願分が消えたのか、書かれる以前に死亡したのか、不明)、プットーたちの群れる雲。ラファエロに限らず、白紙のままの銘版やカルトリーノ、リボンは、絵画内にときおり現れるモチーフ。

・アントネッロ・ダ・メッシーナ『書斎の聖ヒエロニムス(San Gerolamo nello studio)』1470〓74年,板・油彩,46×36.5cm,ロンドン ナショナル・ギャラリー.→入れ子上の空間構造。

ハンス・メムリンク『聖ヨハネ祭壇画(Altarpieces of Sts. Johns)よりヨハネの福音書記者幻視』1479年,板・油彩,両翼172×79cm,ブリュージュ メムリンク美術館(聖ヨハネ施療院).→虹に囲まれた幻視。

コルネリウス・ファン・ダーレムとヤン・ファン・ウェヘレン『エークローのパン屋(The legend of the baker of Eekloo)』1565〓70年頃,板・油彩,30×39.5cm,マイデン マイデルスロート美術館.→頭部をパン釜で焼き直してもらう間、キャベツを載せて待っている。人間の身体と愚行に対する当時の発想→頭の切開手術など。
(画像はウェブ上になし。白黒図版は小学館の世界美術大全集(西洋編)に掲載されている。)