*W・ベンヤミン『パサージュ論』A〜M(岩波現代文庫
あまりにも有名ながら、引用や概略の解説という形でしか接して来なかった著作。今まで直接向き合ってこなかったことが悔やまれるほど面白い。自分の抱えていた問題意識の導きの糸となるような記述にも、たくさん出会うことが出来た。引用などは後ほど。

*H・デ・グリーフ/J・フート『ヤン・ファーブル』(ペヨトル工房
パフォーマンスや絵画、インスタレーションなど多方面で活躍するヤン・ファーブルの、作品とインタヴューを収録した一冊。ファーブルと言うと、以前『美術手帖』に掲載されていた、甲虫の殻をびっしりと貼り付けたドレスや甲冑が印象的だった。(ちなみに彼の曽祖父は、『昆虫記』のアンリ・ファーブルだという。)「昆虫」や「殻」は、どうやら彼にとってしごく重要なテマティックらしい。彼が振り付けを担当したパフォーマンスも、是非一度見てみたい。

*F・パヴロフ著/V・ギャロ絵/高橋哲也・日本語版解説『茶色の朝』(大月書店)
時事的で分かりやすい(分かり易過ぎる?)寓話。ギャロのドローイングに哲学者・高橋哲也のメッセージ付きというよく分からない組み合わせに、思わずやけくそで購入した一品。

*『10+1』no9「風景/ランドスケープ」特集(INAX出版)前々から眼を通したかったバックナンバーを偶然見つけたので購入。W・J・T・ミッチェル『帝国の風景』の邦訳所収。